箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

47期生を迎えて

2018年04月09日 13時30分26秒 | 教育・子育てあれこれ




今日で、校長ブログが1095日目となりました。

ブログ開設から丸3年が過ぎた本日、2018年4月9日、箕面三中第46回入学式を挙行しました。

新入生は4クラス160名が入学しました。


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第46回 入学式 校長式辞

新入生のみなさん、入学おめでとうございます。

みなさんは箕面三中の第47期生として、本日の入学式を迎えました。

三中の教職員・在校生がみなさんの入学を楽しみに待っていました。

3年間をかけ、毎日の授業で学びを深め、クラスでは友達関係を強くして、豊かな人間関係を広げていきましょう。

保護者の皆様、まずもって私からお伝えしたいことは、お子さまを今日まで育て上げてこられたご苦労に対して、最大の敬意とねぎらいの気持ちを伝えたいということです。

いまの時代、子育ては容易なことではありません。お子さまを12歳まで育てることは、楽しみや喜びのある反面、悩まれ、ご苦労されたこともあったことでしょう。

12年間たいへんだったことでしょう。だからこそ、ご入学ほんとうにおめでとうございます。今日から3年間、第三中学校の教職員一同、全力を挙げてお子さまの成長を支えていきます。

ご来賓のみなさまには、本日お忙しい中、たくさんの方々にご臨席いただきました。

まことにありがとうございます。心よりお礼申しあげます。今後とも、本校生徒のために温かいお力添えをお願い致します。

さて、新入生のみなさん、今日入学式を迎えたこの日に、私はまいなさんに、一つ、お話をプレゼントします。

これは、鹿児島県のある小学校での実話です。小学校5年生のあるクラスにはドッジボールが二個ありました。子どもたちは休み時間にいつもそのボールで遊んでいました。

休み時間の終了のチャイムが鳴ると、子どもたちは一斉に教室に戻ります。その時、ボールはどうなったと思いますか。

「誰かがもってきてくれるだろう」と、みんなが友だちに頼りました。そして、ボールは片づけられずにグランドに転がって、ほったらかしになっていることがよくありました。

そこで、担任の先生は、学級会でこの問題をとりあげました。議題は「どうしたらボールをちゃんと片づけられるようになるか」でした。

いろいろな意見が出ましたが、最後には「グランドに持ち出した人が持ちかえる」というルールが決まりました。さらに、「それに違反したら罰を設けよう」ということになりました。

しかし、守られたのは最初だけでした。いつのまにか、ボールは、またほったらかしになってしまいました。

そこで、もう一度、学級会がもたれました。クラスにいた双子の一人が突然、「ボールに名前をつけたらいいと思います」と言いました。クラスのみんなは、「はあ? 何言ってんの」という感じでした。

でも、そのとき、双子のもう一人の子が大きな声で「賛成!」といって拍手しました。そうすると、まわりの子もつられてみんな拍手しました。それで、なんとなく名前をつけることになってしまいました。

担任の先生は何も言わず、じっと子どもたちの様子を見ていました。そして、一つのボールには「ピョン太」、もう一つのボールには「ピョン子」という名前がマジックで書かれました。

そのあと、二つのボールはどうなったと思いますか。

休み時間が終わると、誰かがボールを必ず持ち帰るようになったのです。それだけではありません。ボールが汚れていると、誰かが拭いてきれいにするようになりました。

そのうえ、ボールに、「ねえ、ピョン太」「あのね、ピョン子」と話しかける子も現れたのでした。さらに、誰かがボールを入れる袋まで、家でつくって持ってきました。

名前をもらったボールは、もうすっかりクラスの一員となっていました。
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みなさんは、なぜ、このクラスの子がボールを大切にするようになったのだと思いますか。

ポイントは名前だと思います。

私は次のように考えます。モノに名前をつけると、モノがモノでなくなるのです。つまり、モノに名前をつけると命が吹き込まれるのです。だから、名前をつけることを「命名」というのです。

そうだとするならば、みなさんは自分自身のことを考えてみてください。

みなさん一人ひとりにも名前がついています。これはお家の人がつけてくれた場合が多いでしょう。

こんな大人になってほしいという願いを込めて、みなさんは命を吹き込まれ、今まで12年間、生きてきたのです。みなさん一人ひとりがモノではなく、今を生きる大切な「人」なのです。

だから、みなさん、自分というかけがえのない存在を、どうか大切にしてください。

自分を大切にする人は、友だちや周りの人を大切にできると、私は信じています。

入学おめでとう。

そして、どうかクラスや学年の仲間も、人として大切にする三中生になってください。

3年間の中学校生活が、豊かに、実りあるものになるよう、みなさんの成長を心から祈っています。

以上をもちまして、第46回入学式の式辞とさせていただきます。

平成30年(2018年)4月9日
箕面市立第三中学校 校長 主原 照昌

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その後、2・3年生はクラス発表でした。

そして、体育館で始業式。久しぶりに3学年が揃いました。

新転任の教職員を紹介したあと、私の講話しました。

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1学期始業式講話
「自分の可能性を広げよ」

 みなさん、入学・進級おめでとうございます。今年度の箕面三中は45期生から47期生が、ともにこの校舎でいっしょの生活を送ることになります。

さて、校長4年目となり、私もけっこう歳を重ねてきました。歳をとることは、老人の老と書いて「老いる」ともいいます。なんとなく、マイナスに考えがちです。

しかし、「歳を重ねる」という表現がありますように、歳を取ることは引き算ではなく、足し算です。いろいろな経験をプラスさせていくのです。
でも、歳を重ねるうちに失うものが、一つだけあります。何だと思いますか。


それは、可能性というものです。大人になるにつれてあきらめなければならない夢や、これから新しいことにチャレンジしようと思っても、目の前に壁にぶち当たり、あきらめなければならないことがあります。

しかし、みなさんはそうではありません。みなさんはいろいろな可能性を秘めています。「秘めている」ということは、親や先生も、みなさん自身も、自分の可能性を知らないのです。

では、どうしたら、自分の中に隠れている可能性を引き出し、磨き上げることができるのでしょうか。それは、いま、社会の中で自分の可能性を引き出して、チャレンジして輝いている人から学ぶことができます。 

女子プロゴルフのツアートーナメントにはいつも約100 人の選手が出場するそうです。もちろん、優勝できるのは1人だけです。

つまり、優勝できる確率は1 % です。そんな中、あるプロゴルファーがこんな話をしていました。

「プロのスポーツ選手って、確率が1 % もあれば、『できる』と思うんです。可能性がゼロでない限り、挑戦するのです。」と。

「好きなこと」が成功につながるのは、「やってみたい」という強い思いです。大人は言います。「そんなことをして、失敗したらどうする
の?」。

みなさんが本当にやりたいのなら、たとえ可能性が1%しかなくてもやったらいいのです。それを挑戦、チャレンジといいます。

そして失敗しましょう。たくさん悔し涙を流しましょう。失敗してもいいのです。うまくいったら、大きくガッツポーズをして、「ありがとう」と言いましょう。もし、うまくいかなかったら、小さくガッツポーズをして「これでいいのだ」と言いましょう。

そこから、あなたの可能性の芽が出てきます。どうか、みなさん、自分の可能性を広げる1年にしてください。

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