箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

何を残すことができるか

2018年04月01日 13時38分11秒 | 教育・子育てあれこれ





4月1日を迎え、学校は平成30年度に入りました。

3月26日には

「世の中に 絶えて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし」

という歌を引き合いに、いつ満開になるかと書きました。

しかし、早くも三中の桜が散りはじめています。

残念ながら入学式には散ってしまっているでしょう。

昨年、一昨年と入学式には、残っていて、新入生を桜の花とともに迎えることができましたが、今年は望めそうにありません。


ひさかたの 光のどけき 春の日に

しず心なく 花の散るらむ (紀 友則)



いまは、こんな気分です。


日の光が のどかに降り注ぐ春の日なのに、

なぜ桜の花は散ってしまうのだろうか。


わたしは、この歌を中学生のとき習い、春の情景を思い、「本当にそうだなあ」と感じたことを思い出します。

この歌が詠まれたのが900年ごろだとすれば、1000年以上も、その歌に託した人の思いが残っているのです。

このように考えると、すごいことだとしみじみと感じます。



そういえば、映画「ちはやふる 結び」でも、セリフの中にありました。


恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり

人知れずこそ 思ひそめしか (壬生 忠見)


これと、対になるのが・・・


しのぶれど 色に出にけり わが恋は

ものや思うと 人の問うまで (平兼盛)



恋の歌が1000年以上たった今でも、人々に共感されている。

では、私たちは、1000年先に何を残すことができるだろうか。

このように、瑞沢高校かるた部の部員が、映画の中で言っていました。


そこで、私たち大人はこれから先を時代を生きる子どもたちに、何を残すことができるだろうかと、私は思いを巡らせます。