箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子どもの様子から推し量る

2021年09月13日 07時56分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルスが全国で猛威を振るっています。

親や祖父母が感染して、家族を亡くした子どももいます。
その子の悲しみを想うと、胸が痛みます。

昨年の全国一斉学校休校は約3ヶ月続き、学校再開後の幼児、小中学生のようすが気になりました。

ぱっと見たところ、子どもらしく元気にしていましたが、中にはこっそりと泣いている子、不安がって落ち着かない子、じっとしてあまり動かないない子などがいました。

教職員は、その様子を肌で感じて、心配していました。

コロナ災禍がさまざまな面で言われます。医療崩壊、失業・解雇、時短営業で収入の減少、DV被害、自殺者の増加など、多くの人に影響が出ています。

誰が亡くなったとか、これからの生活をどうしようとか、現実的な悩みがある大人から見ると、子どもは何もわかっていなくて無邪気に見えます。

でもじつは、子どもはまわりをよく見ていて、不安を言葉にできず大人たちを慮って(おもんばかって)がまんしているのです。

不安そうな子、じっとしている子、意欲のない子たちは、無気力なのでなく、そうして自分を守っているのでないでしょうか。

教員なら、ここまで子どもの現状を見て、状況を推し量る人であってほしい。

「ああ、あの子はどうもないですわ。いつもと同じですね」。もしもこんな会話が交わされる職員室では心許ないのです。