Miaou:猫と一緒にフランス語

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「ミツバチの羽音と地球の回転」観てきた

2012-03-31 20:01:50 | 映画
ツィッターでこの映画の自主上映があることを知った。
家の近所!とは言えないけれど、電車乗り継いで3~40分もあれば行ける場所での上映会。
雨が横から降りつける荒天の中を行ってきました。

ミツバチの羽音と地球の回転
原子力発電所建設反対を26年住民全員で訴えてきた山口県祝島の人々の様子、そして再生可能エネルギーにいち早く取り組んだスウェーデンの実態を伝えるドキュメンタリー映画だ。
2時間半以上。
途中ちょっと寝てしまった部分もあるけれど、やはり島の人々と中国電力や経産省役人とのやり取りには引き込まれてしまった。
島の人々は農業で漁業で自立を図っている。そしてそれはうまく回転しているように見える。
「儲かって儲かって仕方ないよ」、とは言えないかもしれないけれど、「今度はこうしてみよう」「来年はもっとたくさん収穫できるように工夫しよう」などと、先へ繋がる、継続可能な生活が島にはあるのは確かだ。

原発反対のデモは、過激などとは程遠い、緩くほのぼのとしたもの。島のほとんどが70を超えているようなそんな人たちのデモだから当たり前か。でも、守らなければならないものは何なのかをきっちりわかっている人たちの気持ちにはブレがないなぁ。

一方、中国電力の社員は島民との交渉のときに、「第一次産業だけではいずれ島はやっていけなくなります、原発ができれば雇用が生まれます」と実情を知らない余計なお世話の上から目線の物言いをする。ナンセンスもいいところだ。

島民の代表が、原発建設反対の署名を携えて経産省へ行ったときは、担当の若い官僚を相手に全く怯むことなく対等以上に渡り合っていた。
昨日や今日担当になり、明日か明後日には他の部署に異動になるような若手官僚に20数年以上反対運動を繰り広げてきた人々を説得することも納得させることもできるわけがない。



島には人間の生活があるのだ。
自然は、産業界や政治家の便利に使われるものではなく、そこに生活するすべての生命のためにあるのだ。
自然を削り、そこで生活している人の権利を、継続不可能な原子力発電というもので踏みにじることは、やっぱりしてはいけなかった。

島にUターンし結婚して子供を育ている男性が、映画の最後に言っていた。
「5年間でもいい、モラトリアムの期間をもらって、原発なくてもここまでできるということを証明させてほしい」と。

原発がなくてもできる・・・・これを証明しなければならないのは、祝島の彼だけではなく、日本国民全員なのだ。
新しいエネルギーの可能性に目をつぶっている思考停止の政治家にまかせっきりにしてたら、難民になってしまうかもよ、日本人は。
意識を持って生活していこう、悲観的にならずに、もっとよくなるように考えなきゃね。

ところで、スウェーデンでの再生可能エネルギー活用については、ちょっと寝てしまって観てない部分もある(汗)のですが、波力発電では日本はスウェーデンの3倍のポテンシャルがあるとのこと。
地熱発電は結構いけるだろうなぁと思っていたけれど、波力発電っていうのもあるのね。