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2009.11.06 出汁について思ったこと。

(1)
先日、マギーブイヨンで作った、野菜スープの美味しさにつくづく
感動した私は、(「2009.11.02 簡単スープに感動」)
出汁に付いて考えました。

洋食のこれだけの味のブイヨンを1から自分で作るには、大変な時間
と手間が掛かると思います。体力も。
何キロもの牛の脛肉や骨や、鶏ガラや、野菜類や、月桂樹やブーケガ
ルニなどの様々な香辛料、白ワインなどを使い、寸胴鍋で長時間煮出
して、大量に作ることになるでしょうから、少人数の家庭では余って
しまって、おおごとになるでしょう。

それが、キューブのお陰で、たった1人分でも、必要な分だけのスー
プが出来ることは感激です。
この点で、洋食のスープの素は、本当に助かります。

中華風のスープを取る時も、同様で、大きな鍋に、豚骨や、鶏ガラを、
ねぎや生姜などで煮込み、半量ぐらいになる迄煮詰めて取るので、
これも大変です。
中華風のスープの素も、有難い存在です。
やっぱり、個人では、これも、スープの素に頼りたいです。


(2)
一方、これに比べて、日本料理の場合は、どうでしょうか?
全然違うことに、改めて驚いてしまいました。

まず、「時間的な問題」です。
昆布と鰹節の出汁の場合は、短時間で取れます。
…と言うよりも、逆に、昆布は、お湯が煮立つ前に取り出さないと
昆布臭くなるし、鰹節も、手早く漉さないと濁ってしまい、味も香
りも、落ちてしまいます。
昆布と鰹節の出汁は、材料の吟味だけは大切ですが、それさえ気を
配れば、ごく短時間で良い出汁が取れます。

また、「量について」も、少量でも、もちろん大量でも、昆布と鰹
節を、それに合わせて使えば良いだけなので、量は問題なく、手順
も大変シンプルです。

その点が、洋風、中華風の出汁と、根本的に違うところだと思います。
毎日のことですから、この手間の違いは大きいと思います。
日本人で良かったなと思ってしまいます。
私も、洋風、中華風の出汁は、ほとんどの場合、キューブなど出汁の
素に頼ります。

でも、日本料理については、即席出汁の素を使うメリットを、私は
あまり感じません。
昆布と鰹節を使っての出汁取りと、即席出汁の素での出汁取りとでは、
時間的には、ほとんど差が無いのではないかと思う程です。

又、「昆布と鰹節の栄養」です。
どちらも欠かせないミネラル類を多く含んでいるので、毎日摂取する
ことは健康に大いに役立ちます。

そして、何より、大切なのは、「味のすばらしさ」です。
私も、若い頃の一時期、即席出汁の素を使っていたことがあります。
(即席出汁の素が出始めた頃、人に薦めてさえいました。)
でも、何かが足りなくて止めました。

その何かとは、多分、出汁から立ち上る昆布と鰹節の香りと、口に入
れた時に感じるほっとする美味しさ、そこから来る、ほのぼのとした
癒しではないでしょうか?

私は、毎日の和風の料理の出汁は、これからも自分で昆布と鰹節から、
取りたいと思っています。

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