CubとSRと

ただの日記

道義を主張して終わらせるしか・・・けど、そうなると

2022年05月06日 | 日々の暮らし
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)5月5日(木曜日)
        通巻第7321号
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 英米、NATO諸国の対ウクライナ武器援助はすでに天文学的だが。。。
  将来の武器代金支払いをいかに解決するのか、貸し倒れか?
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 5月4日時点でのウクライナ「大本営」発表の戦果は、以下の通り。
 ロシア軍の負けっぷり。死者24500名、戦車1077両。装甲車等2610台。航空機194機、ヘリ155機、艦船10隻、砲491基。
 ただし、この数字はウクライナ側の発表であり、検証はされておらず、またウクライナ軍の被害は公表されていない。

 ウクライナの局地戦での「強さ」とは英米が事前に供与していたNLAW、ジャベリン、スティンガーなどの携行ミサイルと通信傍受、カウンターハッカーの威力である。

 戦争が始まると、追加援助が拡大した。
 夥しい最新兵器が米英ならびにNATOからウクライナに搬入されて、配備が完了する五月下旬から「ウクライナの反撃が開始されるだろう」と、ゼレンスキー大統領顧問のオーレリー・アレストビッチが発言している。

 さて問題は、こうした武器供与の「代金」と「支払い」である。
 1941年3月11日、第二次大戦中の米国議会は「レンド&リース法」を成立させた。米国が中立を放棄して、同盟国、準同盟国へ「貸与」もしくは「貸し付け」による武器援助を可能とした。武器、関連物資、食料、ならびに医療などの人道援助が議会承認を得て可能となった。
 支払いは戦後とされ、代金の要求をする武器、無償とした食料、人道援助などと仕分けされるが、武器代金は延べ払い、無利子とした。あくまでも支払いを求めるのである。ただし未使用武器は返還され、その分は代金から差し引かれるシステムとなっていて、会計面で英米は「しっかり」しているのだ。

 さてウクライナの戦況を鑑み、米国議会は「レンド&リース」を簡素化する法案を可決した。
 4月28日、下院は417 v 10と圧倒的な賛同を得て、武器援助の簡素化、つまりバイデン大統領の胸先三寸で、追加援助が可能となった。
 武器供与、運搬コスト、石油、食料、医療人道援助を数量も武器も議会の議論を省いて可能となったのである。

 3月15日 バイデン政権は136億ドルの援助パケッジを発表した。うちわけは20億ドルをEU諸国の難民受け入れ対策費用に、67億ドルがウクライアナならびにNATO諸国への武器援助である。

 4月21日、8億ドルと5億ドルの「経済援助」が決まった。
 4月28日、330億ドルもの追加援助が決まった。内訳は200億ドルが武器供与、85億ドルが経済支援、30億ドルが人道支援となる。

 ペンタゴンの見積もりに拠れば、開戦以来、5月4日までに合計74億ドルの武器がウクライナに供与されたとしている。

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 戦争をするにはお金がかかる。半端なお金じゃないことは知っているつもりだけど、きっとその「知ってるつもり」の数十倍は大変なんだろうな、と思う。
 今のロシアのような戦い方をすれば一日で数十億では済まないんだとかテレビでは言っていた。日本の国家予算が百数十兆円だとして、単純計算すれば結構耐えられそうに見える。

 けど、「じゃ、日本はまだ大丈夫だ」とはならない。問題は直接の武器・兵器の費用よりも、その維持費、メンテナンス費。そして何より大変なのは人件費。命の代わりは金を出したって用意できない。そして命は兵士のみならず維持するだけでも金がかかる。また、情報の収集と解析の精度如何で戦争の情況は急変する。これは全て人間の仕事だ。
 昔の日本軍では下士官が新兵を𠮟りつける時「お前らは一銭五厘でいくらでも補充が利くが○○(軍馬や兵器、軍艦等)はお前らの何十倍も金がかかっている」と言ったそうだが、本心でそういうことを言ったのだとしたら、それは今のダメ上司と同じ。そんな駄目な上官ばかりだったら日本軍なんて数十日も戦わず(戦えず)降伏していただろうし、今、日本なんて国は地球上に存在していないだろう。

 日露戦争でバルチック艦隊がウラジオストクを目指して航行している間、あの時代なのに情報は逐一日本に伝えられていたとか、莫大な軍事費は日本には用意できるはずもないから、ほとんどが借金だったとか。戦争は当事国だけではなく他国の人間の支えがあってこそ。

 今のウクライナは?
 日露戦争の時の日本と、おそらく大きくは違わないだろう。
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