![]() | 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)森見 登美彦角川グループパブリッシングこのアイテムの詳細を見る |
会社の女の子が読んでいたのを、借りて読む。
帯には、読者が選んだ&書店員が選んだ、総合一位の本とか。
でも、私には、あまりにも難解過ぎる。
京都の大学出身なので、土地勘もあり、親しみも懐かしさもありながら、
登場人物と、奇想天外なる話の展開に、どうしてもついていけない。
自分で買っていたら、まちがいなく、途中で投げ出していただろうが、
借りた本だけに、感想はと言われたら困るし、読み終えるのが礼儀と、、
一心に、読み終えた。
恋するという気持は、甘く、せつないものであるが、
「男女はいったい、如何にして付き合い始めるのであろうか。
恋愛の純粋な開幕は所詮不可能事ではないのか、あらゆる要素を検討して、
自分の意志を徹底的に分析すればするほど、虚空に静止する矢のごとく、
我々は足を踏み出せなくなるのではないか。性欲なり見栄なり流行なり、
妄想なり阿呆なり、何と言われても受け容れる。
だが、しかし、、あらゆるものを呑み込んで、たとえ行く手に待つのが
失恋という奈落であっても、闇雲に跳躍すべき瞬間があるのではないか。
今ここで跳ばなければ、未来永劫、薄暗い青春の片隅をくるくる回り続ける
だけではないのか。このまま彼女に想いを打ち明けることもなく、ひとりぼっちで
明日死んでも悔いはないと言える者はいるのか」と、
作者は、主人公に夢の中で叫ばしている。
この様に、解りやすいモチーフを、文学的に書けば、
このような、難解な本になるのか・・・・・。
若き日の青春時代は、思い出すことはできても、本に没頭できないなんて
この本の、感性が解らぬほど、私は老いてしまったのか、不安に感じた一冊である。
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