ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

四人噺の会

2010-03-28 23:29:12 | 落語
今日は、ひさしぶりの落語。



無学ヘ・・・・・65人の満員御礼。

まずは、瓶太さんが登場、今日の四人を妖怪風に、ご紹介。




実力派のぶつかり合い最高に楽しい、、四人囃の会でおました。・・・・、。

一、林家卯三郎・・・・・・・・・・[延陽伯」

公家屋敷にご奉公していた延陽伯と、
長屋の卯三郎さん演じる主人公はお似合いの夫婦。

「わらわ、父は元、京都の産にして・・・・」で始まる、
この長セリフのリズムと抑揚、節回し、でこの「延陽伯」は決まる。
そういう面で、卯三郎さんの「延陽伯」は、いたって上品で、品がおますな。


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・「壷算」

こごろうさんの高座は、明るく、楽しさが満載。
特に、落語ヘの、「こんにちは」、「「おお、久しぶりやな、おまえ宿替え・・・」と、
大きな声と、さあ始まるとワクワクさせる、最初の入りが大好き。

「壷算」も、アホは最後まで、騙して買っているという意識は無く、
良い買物ができたと脳天気である。
このあたり、悪人の登場はできるだけ避けるこごろうさんの気づかいか。

途中、ユニ屋クロ兵衛、シマ池ムラ衛門など、
どこを割っても、あんこがたっぷり入っての超豪華版・・・

こごろうさんの落語は、私の波長との相性が最高、
どの噺も愉しく心地良ろしおまっせ。


三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」

「打飼盗人」の打飼袋とはお金とか貴重品をいれる胴巻きする袋。
今でいう、財布ですか。

文華さんの、盗人、最高。
凄んでみるが、住人の落ち着きに、威勢がそがれ、
煙草をねだられ、煙管と煙草入れを貸す。
博打をしたと聞いて叱り、これからは心入替え二度とするなと、
真面目に仕事をする為に、質屋に入れた道具箱を出させる。
それからは、着る物、金利分、米代、家賃と、どんどんエスカレート。

その度ごとの、盗人の気持の変化が絶妙。
泥棒と、口の上手い詐欺師、途中から盗人が善人になる。

酒も呑まないのに、立場が入替わる、まさに別名「逆さま盗人」である。

行かれた人の評判を聞けば、先日の「天狗の酒盛り」を聞き逃したのは不覚。
今年は、文華さんの落語、追いかけるぞ・・・・・・・。


四、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・「替り目」

63年入門で、かつての「はやかぶの会」、瓶太さんと文華さんが同期。
そこに、銀瓶、宗助、わかばさんが加わっての五人の会。

「ラク・ゴリラ」は、平成3年入門組で、文三、こごろう、花丸、生喬さんの会。
今や、どちらも、油が乗っている年代ですな。

瓶太さんの「替り目」・・・・・・・・。

嫁さんにおでんを買いに行かせてからは、瓶太さんと奥さんの馴初め、
鶴瓶師匠と同じように、駆け落ちまでしての大恋愛。

途中からは、師匠譲りの、「私落語」に変身。
オチは、「おまえ、まだ、そこに、いたんか」だが、
まさに、瓶太さんの、生の、叫びに聞こえましたで。

いつもながらの、サービス精神、いっぱいの高座。

本日は、実力のぶつかり合いが最高に楽しい、「四人囃の会」でおました・・・・、。



第26回・四人噺の会
2010年3月28日午後2:00開演
無学

一、林家卯三郎・・・・・・・・・・[延陽伯」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・「壷算」
三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」
四、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・「替り目」

10-16-72


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続編・落語的学問のすすめ~桂文珍

2010-03-28 10:18:42 | 本の少し
落語的学問のすすめ〈PART2〉 (新潮文庫)
桂 文珍
新潮社

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文珍さんの、続編・・・。
明治初期の話、それも一門の初代文枝の話から、
その弟子に、文三、文之助、文団冶、文都の四人が非常に優秀であったが、
文三が、二代目文枝に、文都さんは浪速三友派を結成、後に月亭文都を名乗る。

何で、月亭にしたのか、その理由がおもしろい。
月桂というのがありますが、桂一門の上に立ったれというので、「月」をもってきた
「月なくて、何の桂か」という事らしい。

文珍さん、なかなかご自分のマーケティングができておられて、
私みたいに、「芸術より金やねん」ということをはっきり打ち出してくれる
吉本のようなところにおりますと、常に大衆のみなさんがお好きなものを、
一生懸命リサーチしていないことには、これ、経済効率が悪くなります。
だから、芸術に走るゆとりがないわけですと、本音をちらり・・。

ソフィストケートされたものは、芸術性の香りも高くなってきますし、
まことにええもんですが、反面、全体からは遊離していく
洗練されたものは、あんまり受けない。

噺家と落語家、噺家と芸人、落語家とタレント、芸人とタレント
まあ上方落語家250名それぞれの立ち位置と落語に向き合う姿勢で、
何を目指しているのかが解りますな。

まあ、硬いようで柔らかい、柔らかいようで、多少理論っぽい文珍さんの講義。
「見えてるようで、見えてない」、「見えてないようで、見えてる」なんぞ、
まあ、いろんな事に、置換えて、考えることができる。
結構、なんでも物事考えてみようという、思考の訓練には、結構おもしろい本でおます。



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