![]() | わかってぇなぁ! 桂ざこばのざっこばらん2 |
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ざこばさんの、二冊目の本。夫婦のもめごと。日常での喧嘩、もめごと。
普段マクラで聴いているようなはなしが、次々登場。
落語のはなしはいたって少ない。
その少ない落語の話は興味深く楽しい。
米朝師と、松鶴師匠と春団治師匠、それぞれ稽古のつけ方が違っているが、
ざこばさん、当時朝丸さんがいかに可愛がられていたかが窺える。
でも、つくづく“弟子”って、ええもんや、と思えるようになったと。
普段、やっているネタでも、勢いでパーツとしゃべっているもんですから、
少々間違うててもそのまんまやり続けてることもあるんですよ、と。
例えば、(「強情」と思えるが)、「金貸してくれ!」、「うちは金ない!」、
「いや、あんたとこ有る!」と食い下がれて、「いや有らへん。有るように思うてないのが、お金。
ないように思うて有るのが借金!」と、突き放すんです。が、「有るように思うて」やないんですわ。
ホンマは「有るように見えてて」や。教えている最中にハタと気づくわけで、「アレ、違うで!」と。
ほんで弟子に言うと「いいえ、師匠が“思うて”と教えてくれはりました」やて、
完全に僕の間違いですと・・・。
たまに、遠のいているネタをつけてやってると弟子よりもオモロなってきたりして、
「また、このネタやったろ」と意欲がわいてきたりして、ものすごくプラスになると・・・。
十五才から落語をやってきて、弟子や稽古ってええ問やと思える今日この頃と・・・。
あの、大雑把に見えるざこばさんでさえ、弟子については正面から向き合っているのがわかる。
親になって初めて解ることがあるように、弟子をとるということは、ほんと大切なことなんですな。