繁昌亭・天神祭特別公演~2024.07.25
楽しかったですな、各自持ち時間が15分。次から次へとドンドンでてくる、まさに東京の寄席小屋状態。各噺家さんのテンションも高く、普段の昼席とは違った空気感で楽しかったですな。
たまに、こんな日も、こんなウィークも企画、挟んでみて欲しいですな。
12人も居られるので、コメントは短めに・・・。
一、林家染左・・・・「落語解説」
初めて繁昌亭の方が三分の一のお客様。そこで、上下(かみしも)の位置関係、下座のお役目、マクラの小噺など丁寧に説明。この頃出前寄席で前説的なことも必要なので勉強になりました。
二、笑福亭喬介・・・「牛ほめ」
今日は一人15分の持ち時間。学校寄席のマクラから牛ほめに入ってきっちり15分、落語家さんって時間管理バッチリなんですね。
三、笑福亭銀瓶・・・「動物園」
銀瓶さんの「動物園」。前座噺が聴けるなんてなんて贅沢なんでしょう。我が我がのイメージが強い銀瓶さんが「動物園と言えば、南天さんと文三さん、ですが」と、謙虚な台詞にビックリ。銀瓶さんで「動物園」前座噺が聴けるなんてなんて贅沢一席でした。
四、桂勢朝・・・・・「永田町商店街懐メロ歌合戦」
まさに十八番。よろしいな。自由自在に今の政治をいじりながらの勢朝さんの創作落語。他の人が手掛けない、独自の演目を持つ、漫才師さんの形ではないですが出来上がった時点で大成功ですな。
五、桂八織・・・・・「引き出物」(作・三枝)
三枝師匠の創作落語。台所のパントリーに置かれたままの引き出物のボヤキを落語に・・・。でも引き出物って、すぐに食べたりしないと、なんとなく置いたままで押し入れの奥に溜まっているもんですな。
六、露の団四郎・・・「百面相」
これも、団四郎さんの十八番「百面相」。大黒さんに戎っさん・・など似てるというより、その準備、仕草がおもしろい。継続は力、芸ですな。
七、月亭太遊・・・・「夢の国」
弟弟子さんとは何回もあったんですが、太遊さんは本日初めての出会い。よろしいな、多少ぶっきらぼう的な個性たっぷりの語り口。今日は繋ぎで落語は正味4分ほど。太遊さんの古典落語、どんなのか興味ありますな。
八、桂米平・・・・・「饅頭こわい」(怪談部分)
饅頭怖いの「櫓コタツのやけどには気をつけよ」の怪談部分だけを取り出しての一席。落語って、こういうふうに自由に演りながら、短くなったり長くなったりしながら、後世に残されていくんでしょうな。
九、林家染八・・・・「軽業」
上方らしい下座さん活躍の「軽業」を。15分の限られた時間の中で、どこの部分を引っ張り出してくるという時点で、落語家さんのセンスが伺えますな。
十、桂福楽・・・・・「ん廻し」
ベテランさんの「ん廻し」、「阪神」も「新幹線」も「電電公社」も出てこない、いたってオーソドックスな「ん廻し」。でも昭和の匂いがする「ん廻し」、こんなのもよろしおますな。
十一、桂文三・・・・「ちりとてちん」
本日の秀逸。落語のおもしろさ爆発。喜ィ公の陽気さ全開。同じ15分ですが、陸上の800mのように最初から最後まで全力疾走。ほんま体力使い切っての一席・・お疲れ様でした。
十二、桂文福・・・・「一人歌謡笑」
河内音頭から相撲甚句。なぞかけから最後は歌謡笑。文福師匠のワンマンショウ、思わず客席から手拍子がわくなんて、やはり十八番は強いですな。
本日は、短めの時間ながら皆さん十八番中心の濃縮の高座の連続、充実した落語会でおました。
繁昌亭・天神祭特別公演
2024年7月25日(木)12:30開演
一、林家染左・・・・「落語解説」
二、笑福亭喬介・・・「牛ほめ」
三、笑福亭銀瓶・・・「動物園」
四、桂勢朝・・・・・「永田町商店街懐メロ歌合戦」
五、桂八織・・・・・「引き出物」(作・三枝)
六、露の団四郎・・・「百面相」
七、月亭太遊・・・・「夢の国」
八、桂米平・・・・・「饅頭こわい」(怪談部分)
九、林家染八・・・・「軽業」
十、桂福楽・・・・・「ん廻し」
十一、桂文三・・・・「ちりとてちん」
十二、桂文福・・・・「一人歌謡笑」
三味線・吉川絹代・佐々木千華、鳴り物・林家染八