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佐藤雅彦さんの本。人間って不思議と、色々と考えさせてくれる。
錯覚、思い込み、勘違い、脳ってどんな働きしているのか、感情って、なぜ起きるのか。
錯覚、思い込み、勘違い、脳ってどんな働きしているのか、感情って、なぜ起きるのか。
情報をどのように処理しているのかこの高性能のしくみ・・・ほんと不思議です。
でも、いろんなことの「妙」にひっかっかるのが、佐藤さんのよろしいところ。
例えば、
・夜中の散歩中に偶然見かけた背の高いベンチと妙に大きい足。
・電車で隣の小学生が思わず漏らした妙な言葉。
・愛用のボールペンがインクの切れ際に書かせた言葉の畏さ。
・金属の巻き尺が持っていたルーズさに対しての勝手な憐み。
・新品のおもちゃを友だちがこぞって壊しだす時に感じた新種の責任感。
・飯場の女性が実の息子に目をそらされた時、必死に何かに掴まろうと空をもがく腕。
・名優の言葉に対して、正直者の漁師が示した全員否定の妙。
最後の、名優のラジオでの話、森繁久弥さんなんですが、そこでの話は事実とは違うように脚色されていた・・
今週の短歌会が終わった時に先生とお茶をしたときに話題になったのが、“はたして事実だけを詠むだけで終わって良いのか”。“そこで感じたことは何なのか”。“それにフォーカスして伝えたいことは何なのか”そしてここからが問題なんですが、“わかりやすいいように脚色する”、“はなしを盛る”ことは否か正かということなんですが・・・。
何もないところからのウソは駄目ですが、自分の心にわいてきたものをよりよく伝えたいということであれば、それもありとの結論に至りました。
まあ、いろんなことの「妙」に遭遇する。その真意にをあぶり出そうとする過程が、この「考える」ということに他ならない、そんな考えるヒントをくれる本でおます。
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