バラの香りに感動しつつ車を走らせると、どうやらバラ博物館を通り過ごしてしまったようです。じゃあいいや、と、そのままシプカ峠の頂上を目指してみることにしました。
まずはシプカ町の中のキンキラキンに輝く僧院!! あいかわらずロシアがらみの教会はド派手ですね~。それを横目につづらおりのワインディングロードを登り始めました。ここは露土戦争の激戦地だったそうで、この金ピカ教会はその戦闘で戦死したロシア兵の慰霊のために建てられたそうです。峠の頂上にも見張りのための塔のような「自由の碑」があります。その塔の上り口、峠のパーキングでちょっと休憩しました。
おみやげ物やさんのおばさんと話すと、「えっ?! あんた、何でブルガリア語を話すんだい!?」「えーっと、ペルニックに住んでるんで・・・」 よほど、ブルガリア語を話す外国人が珍しいらしい・・・ でも、シプカって、日本人が住んでいる町としてブルガリア全国でも有名なんだけどなあ~。きっとそこに住んでいる日本人の方々はわたしなんかよりもずっとブルガリア語が上手なはず・・・ でも、こんな観光地になんてもうあんまり来ないのかも。う~ん。なんかシプカに住んでいる日本人の方々とお知り合いになれればと思ったけど、なんのてがかりもないな~、これじゃあ・・・
峠から下ってちょっとシプカ町を通ってみることにしました。偶然道を歩いている日本人がいたら話してみたいなあ、と思ったのですが・・・ 残念ながら日本人どころかだれも歩いていない・・・ シーン・・・。静かだ・・・。 ただ、町の真ん中の広場の看板には日本語が。そしてそのはす向かいのメハナは以前シプカ町に移住した家族を紹介するテレビ番組で見たような・・・ これがこの町と日本の間柄を示すものなのかな?
もう一度カザンラクに向かう途中でバラ博物館を見つけました。入口の看守のおじさんに「ドーバルデン!! 入ってもいいですか?」と聞くと、何でそんなことを聞くんだ?という顔をされました。んんっ?? と、すぐなぞが解けた!! バラ博物館はそのとき何と日本人でいっぱいだったのです!! オオ~!! 日本人観光客だーっ!!! 博物館の入口はバラの香りでいっぱい! 香水用のバラの花びらがかごに入れられておかれているので、その香りでいっぱいなのです。
わたしたちがチケットを買って入ろうとしたところに(またここでも峠のお土産屋さんでの会話と同じ会話が繰り返されたのですが・・・)、わたしたちより前に見学を終えた日本人観光客の皆さんがチケット売り場兼売店になだれ込んできました。何と、その人たち、ローズオイル製品のお土産はこの博物館で買うしかないんだそうです。か、かわいそう・・・ だって、ここ、すごく高い!!! あまりに高くて、「もしかしたらほかの場所では手に入らないほど品質の高い(ここのはローズオイル100%で、ほかのところは本物と称していて、本物は本物でももうすめてあるとか・・・)ものなのかなあ・・・」と思ってしまうほどでした。それに博物館の店員もあんまり商売っ気がなくて品数もありません。でも、日本のマダムたちは列を作って買い物をしていました。お土産にするのかな?
ところでバラ博物館ですが、昔どのようにロゼボ・マスロ(ローズオイル)を抽出していたかなどが、その当時の道具や写真と共に展示されています。歴代のバラの女王の写真も・・・ そして庭はよく手入れされてきれいにバラが咲いていました。バラの香りにつつまれてなんだか自分がバラの女王のようにウツクシクなったような・・・ わけないか。