MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『チ・カ・ラ。』 

2012年10月06日 | BOOKS
『チ・カ・ラ。』 イングリッド・ロウ 小学館


 不思議な力を持った一族に生まれた女の子が主人公の物語ですが、ヤングアダルト(YA)ならではの思春期の葛藤は普通の子と一緒。たくさんのファンがいるのも肯ける、素敵な物語です。

 男の子も気になるけれど、一番は自分の「チカラ」のコト、そして家族。
 主人公が、家族が、友人が、みんな一生懸命で、ハチャメチャで温かくて……、読者も彼らと一緒に旅をする楽しみを分かち合えます。

 原題は、『Savvy』。
 「Savvy」は、私の辞書では「実際的な知識・理解・能力」とあります。
 翻訳者によると「ちょっとしたコツ」のようなものだとか。
 もちろん一族のチカラもそれぞれ面白いのですが、チカラを持った一族でない「普通」の友人たちにもそれぞれの魅力があることが描かれています。
 実は不思議なチカラを持っていない彼らのほうが頼もしかったり、チカラを持った主人公のほうが不安定で弱かったり、魔法のようなチカラのあるなしなんて、ちょっとした個性のように書かれているところが、とっても好ましいです。


 そうそう。ページの端のパラパラ漫画も可愛いです。
 
 続編『Scumble』も楽しみだなぁ。

 
コメント
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