MOONIE'S TEA ROOM

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『アーヤと魔女』

2012年10月14日 | BOOKS
 2011年に亡くなったダイアナ・ウィン・ジョーンズの遺作、『アーヤと魔女』です。
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズといえば、日本では『魔法使いハウルと火の悪魔』(※)が有名ですが、この『アーヤと魔女』もファンタジーです。児童向けのファンタジーですが、大人も楽しめると思います。

 作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズが「世界中の挿絵画家の中で、彼女の絵がいちばん好き」と評したという佐竹美保さんの挿絵がどのページを開いてもあるという、贅沢な本になっています。


 『アーヤと魔女』の原題は、『EARWIG AND THE WITCH』。
 「EARWIG」というのは、「ハサミムシ」。「陰から操る・こっそりほのめかすことによってそそのかす」という意味もあります。
 表紙の絵では帽子をかぶっているので分からないですが、短い髪の毛を二つに分けて頭の上にピンと立つように結んでいる髪型が、なるほど「ハサミムシ」なんだけど、日本語訳の「アーヤ・ツール(操る)」じゃ分からないので残念。ここが、翻訳の難しいところですね。


 アーヤの能力は、ちょっと困ったもののような気がしますが、それでも子どもたちには彼女の前向きな強さが魅力的に見えるかもしれません。
 この不思議な家族(?)がどうなっていくのか、もうダイアナ・ウィン・ジョーンズが続きを書くことができないなんて……。
やっぱり寂しく感じます。

※『魔法使いハウルと火の悪魔』は、映画『ハウルの動く城』よりも断然面白いと私は思っています。女性には絶対小説のほうがおススメです。
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