MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

気になる「様」の書き方

2015年12月13日 | 一考察
 年賀状を用意する季節になりました。

 年賀状といえば、毎年気になってしまうのが、宛名の「様」の字。
 フォント(字体)によって、違う「様」が印刷されているのに、お気づきでしょうか?
 私は学生の頃、「様」の字の書き間違いを指摘してもらって恥ずかしかったことがあって、ついつい書き方が気になってしまいます。

 
 旁(つくり)のほうの真ん中の縦棒が下まで貫いている「様」が、小学校で習う書き方です。
 「木(木偏)」に「ソ」を書いて、「三」を書いて、縦棒が下まで貫いてからはね、左側に「ン」を書いてから、右側に短い左はらい(永字八法の「啄」)と右はらい(永字八法の「磔」)を書きます。
画数は14画です。

 
 そして、この「様」は、旁(つくり)の下が「水」という字になっています。(「木」+「羊」+「水」)
 私はこう書いていて「間違っている」と言われて、以後気を付けているのですが、これもあながち「間違い」と思うようになりました。

 じつは、この部分を「水」でなく「永」の字を書いた「樣」という字があるのです。
 広辞苑によると、「永」を使った「樣」の字は「えいさま」と呼ばれて「貴人に送る書状に用い、もっとも丁寧な書き方」なのだそうです。
ほかにも旁を「美」と書く「美様 びさま」や、目下に使う「平様 ひらさま(つくばいさま)」といった草書の書体もあるそうです。
 これらの字を見ると、上下に分けて書く書き方も使われていたことが想像できます。

 学校で教える「正しい書き方」というものが「いつでも絶対正しい!」というわけではなくて、漢字には長い歴史と、いろいろな書き方があるらこそ面白いのかもしれません。

 とりあえず、学生時代の恩師にも送りますから、学校で習う「正しい書き方」の字体で年賀状を作ろうと思います。


<参考>
「様」の書き方 - 漢字の正しい書き順(筆順)
 アニメーションで書き順を確認できます。
 子どもに聞かれて自信がないときなど、便利です。
永字八法 - Wikipedia
コメント
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