MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

なんで「わかめ」は「赤の食べ物」?

2016年11月15日 | いろいろ
 野菜高騰で、もやしや豆苗のほかに、塩蔵わかめや乾物(ひじきや切り干し大根)などの出番が増えている今日この頃。
 娘と、食品の分類の話になりました。
 私は、わかめやひじきなどの海草類は、「体の調子を整える 緑の食べ物」だと思っていたのですが、娘は「海藻の仲間は赤の食べ物だよ!」と主張。「だって、学校のプリントに書いてあるもん!」と見せてくれました。
 たしかに、小学校の「給食だより」や「献立表」には、「わかめ」や「ひじき」が「赤の食べ物」で載っています。
 でも、なんだか納得がいきません。

 そこで、中学校と高校の家庭科の教科書を見てみました。
   
   両方とも開隆堂出版の教科書で、中学は平成22年発行の『技術・家庭[家庭分野]』。
   高校は平成25年発行の『家庭基礎』です。

   <図 6つの基礎食品群>(『技術・家庭[家庭分野]』p.27)
 中学校では、食品を「6つの基礎食品群」で分けています。
 海藻は「主に体の組織をつくる」の中の「2群」というグループに入っています。
 「主に体の組織をつくる」は、小学校のプリントにある「赤の食べ物」ですね。
 「2群」は、「主に無機質(カルシウム)を多く含む食品群」で「牛乳・乳製品・小魚・海そう」が分類されるようです。
 
   <表 食品群の分け方の例>(『家庭基礎』p.83)
 そして、高校の教科書では、「4群」「6群」「3色」と、3つの分類が紹介されています。
 上の表を見ると、海草類は「6群」では中学校の教科書と同じ「2群」で赤い色の分類に入っていますが、「3色」という分類では野菜と同じ「緑」に分類されています。
 別ベージ(p.85)には、「4群」の分類で、「海そう・きのこ類」は野菜と同じ「第3群」に含まれると書いてあります。

 栄養成分の傾向・役割の捉え方によって、分類もいくつかあるんですね。
 一つの食品にも様々な栄養素があって、便宜上の分類では一つのグループに入れているだけだということが分かります。

 結局、「海藻にはいろいろな栄養成分が入っていて、赤の食べ物の役割だけでなく緑の食べ物の役割もするから、赤の食べ物も正解。緑の食べ物も正解。」と、娘には説明しました。

 おとな気なく、ムキになって調べてしまいましたが、なかなか面白かったです。
 中学校や高校の家庭科の教科書を捨てずに実家に置いておいてくれてよかったです

食品群の分け方
  (『家庭基礎』p.83の「食品群の分け方の例」・p.85「食品群別摂取量のめやす」と『技術・家庭[家庭分野]』p.27「6つの基礎食品群」による)

■「3色」分類
・赤 主に身体の組織をつくる (乳・乳製品・卵・魚介・肉・豆・豆製品)
・緑 主に体の調子を整える (緑黄色野菜・淡色野菜・海そう・きのこ)
・黄 主にエネルギーになる(穀類・砂糖・油脂・いも類)

■「4群」分類
・第1群 栄養を完全にする役割 (乳・乳製品・たまご)
・第2群 血や肉をつくる (魚介・肉・豆・豆製品)
・第3群 体の調子をよくする (野菜・いも類・果物・海そう・きのこ)
・第4群 力や体温となる (穀類・砂糖・油脂)

■「6群」分類
・第1群 主にたんぱく質を含む食品群 (魚介・肉・卵・豆・豆製品) 
・第2群 主に無機質(カルシウム)を含む食品群 (乳・乳製品・小魚・海そう)
・第3群 主にビタミンA(カロテン)を多く含む食品群 (緑黄色野菜)
・第4群 主にビタミンCを多く含む食品群 (単色野菜・果物)
・第5群 主に炭水化物を多く含む食品群 (穀類・いも類・砂糖)
・第6群 主に脂質を多く含む食品群 (油脂)

※「6群」を「3色」に分けるときは、「赤 第1群・第2群」「緑 第3群・第4群」「黄 第5群・第6群」と分ける。
「4群」を「3色」に分けるときは、「赤 第1群・第2群」「緑 第3群」「黄 第4群」と分ける。
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