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『認知症の人とのおつきあい 家族の心をととのえる対応と工夫』

2016年11月20日 | BOOKS
『認知症の人とのおつきあい 家族の心をととのえる対応と工夫』
認知症の人と家族の会 東京支部:編
三一書房


 家族の会に寄せられた相談事例をもとに、家族介護の経験者の知恵と工夫が紹介されている1冊です。
 職業として介護をしている方のための本が多かった中、この本は認知症の人をすぐそばで支えている介護家族のための本になっていて嬉しいです。

 序章では、「まず、認知症をしっかり理解する」ということで、認知症の早期発見のサインや、認知症のタイプの説明や受診・検査・治療について紹介されています。

 第1章からは、様々なケースごとに、認知症の人の気持ち・不安の原因を考え、それに寄り添った声かけや対応をすることが分かりやすく書かれていて、イラストはありませんが読みやすいです。
 コラムには、「異食」「トイレ環境の整備」「免許取り消し」「男性介護者の困難」など、最新の事情も紹介されています。

 副題の「家族の心をととのえる対応と工夫」にあるように、介護をする側・介護者の心のケアにもページが割かれています。カウンセラーのアドバイスのページに、介護者のストレスや介護者が自分を休ませることについて書かれていることも、ありがたいです。

 第3章は、さまざまな高齢者特有の症状、合併症や薬の副作用や生活習慣病と認知症の関わりについて紹介されています。多くの高齢者は認知症以外の症状を抱えていることが多いので、ドクターのアドバイスなど、とても参考になると思います。

 巻末には「お役立ち情報」があり、支援制度や情報サイトがまとめられています。

 2025年には、団塊の世代がすべて75歳以上になり、65歳以上の5人に1人が認知症になると予想されているそうです。
「介護」の当事者になる日がいつかは分かりませんが、多くの人の知恵と工夫が共有されて、被介護者と介護者の両方が少しでも快適な生活を送れるように、このような本が増えればいいですね。
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