MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『小さな魔法のほうき』(『The little broomstick』)

2016年12月26日 | BOOKS
『小さな魔法のほうき』
著者: M・スチュワート
訳: 掛川恭子
イラスト: 赤星亮衛
出版社: 復刊ドットコム


 2017年夏に公開予定の米林宏昌監督の新作アニメ映画『メアリと魔女の花』の原作、メアリー・スチュアート(Mary Stewart)の『The Little Broomstick』です。
 「little broomstick」を直訳してしまうと「小さなほうき」なんですが、「The」が効いてますね。まさに「その」ほうきは「魔法のほうき」なんですもの。

 この原作は1971年にイギリスで出版された魔法ファンタジーの名作です。
 ハリー・ポッターを読んだときに、この作品を思い出した方もいっぱいいると思います。
 魔法のほうきの記述なんて、本当にハリー・ポッターみたいです。
 そのほか、魔法の学校の教室の薄暗さだとか、魔法を使った対決も……。
 はじまりはちょっと『秘密の花園』みたい。あちらも主人公はメアリでしたね。
 知らなかった方は「こんな作品あったのね!」と驚くのじゃないでしょうか。

 テンポが良くて、コミカルで、最後までドキドキさせてくれる1冊です。
 わたしはラストの「シラカバ林」のところでいつも、黒猫ティブのようにニヤッと笑ってしまいます。

 日本語版は、もともと1975年にあかね書房さんから出版されたのですが、一度絶版になったものを「復刊ドット・コム」が2006年に復刊しています。
        右があかね書房版(1975)・左が復刊ドット・コム(ブッキング)版(2006)
 写真でも分かると思いますが、表紙はほとんど同じです。
 中身も、イラストやページ数などほぼ同じですが、字体や改行箇所がちょっと違いますし、復刊された本には誤植がありましたから、タイプし直しているんですね、きっと。
 値段は、980円が2400円+税に!(30年という時代の流れですね!)
 映画化されて、また新しく出版されるでしょうか? (記事の最後に新訳の出版情報、追記してます)
 私は赤星亮衛氏のイラストをとっても気に入っているのですが、アニメの表紙になったら、子どもたちがもっと読んでくれるかな?

 あかね書房版には「小学中級以上」って書いてあります。
 難しい漢字には ふりがなもあるので、街の図書館や小学校の図書室でも探してみて下さい。

<関連サイト>
『メアリと魔女の花』公式サイト
 7月8日土曜日 全国ロードショー

<追記>
 この本に出てくる花「夜間飛行」、英語では「Fly-by-Night」のようです。
 原書を手に入れて読んでみたいなぁ。

<追記 2017.05.23.>
 映画原作として、新訳が角川書店から発売されます。
『新訳 メアリと魔女の花(仮)』<単行本> 訳:越前 敏弥・共訳:中田 有紀(2017.06.30.発売予定)
『新訳 メアリと魔女の花』<角川文庫> 訳:越前 敏弥・共訳:中田 有紀(2017.06.17.発売予定)
『新訳 メアリと魔女の花』<角川つばさ文庫> 訳:越前 敏弥・共訳:中田 有紀・挿絵:YUME(2017.06.15.発売予定)
 角川つばさ文庫版は、挿絵入り。すべての漢字に ふりがながあるそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする