MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『睦月童』

2015年12月16日 | BOOKS
『睦月童』(むつきわらし)
西條奈加
PHP研究所


 ホラーは苦手なのですが、時代物の怪談はわりと好きなほうです。
時代物だとゆうれいも妖怪もなんだか平気。不思議で、ちょっと切なくて温かい人情があるのが魅力でしょうか。
 そんなわけで、もう20年以上あれこれ読んでますけれども、これはちょっとビックリの展開です。
 懐かしのSF「グリーン・レクイエム」だとか「パラサイト・イブ」なんかを思い出しました。

 日本橋の商家に、神通力のあるという小さな女の子が住みはじめます。
 彼女の神通力が人の心を動かし、多くの人生に影響を与えていくのですが、次第に、その神通力の奥に不可思議な暗い影が見えてきます。

 読後感は優しいですが、「命を繋いでいくこと」の利己的で残酷な面について考えさせられる1冊でもあります。

 17歳の男の子と10歳の女の子。
そして周りの大人たち。
 時代物の中に生きる人たちは、なんと自分の人生に責任を持って生きていることでしょう。
 子育て中の親として、自分の覚悟についても考えてしまいます。
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