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『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら 』

2022年06月20日 | BOOKS
『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら 
 発達性読み書き障害の子の自立を考える』
著者:宇野彰(発達性ディスレクシア研究会理事長)・千葉リョウコ(漫画)
発行:ポプラ社


 以前記事にした「うちの子は字が書けない」の続編になります。

 前回は息子さんのケースの紹介でしたが、今回は娘さんの発達性読み書き障害のケースを取り上げています。
 この本を読むことで「発達性読み書き障害」にはビックリするほど多様性があることが分かります。
 前回の本を読んで、一つのケースの体験談を知っただけで分かったつもりになるのは危険だと反省しました。

 今回のサブタイトルは「発達性読み書き障害の子の自立を考える」となっています。
 子どもの時期だけでなく、一生続いていく特性に向き合って生きていくことがテーマになっています。

 第3話に、家庭教師からの目線の漫画があります。
 家庭教師をしている人は、多くが「他の人よりも勉強ができる人」です。家庭教師の考え方は、多くの学校の先生方の考え方にもつながると思います。
 「なんで、こんなこともできないんだろう?」「どうサポートしていけばいいか」
 まず、知ることが大切で、知った上で学習者本人に寄り添うことが求められているのだと思います。
 もちろん、現在は教育者を志望する人たちは、発達障害についてもしっかり学んでいると思うのですが、「一人ひとりが違うこと。全く同じケースはないこと」を肝に銘じていないと大きな危険があると感じました。

 残念なことに、まだ「発達性読み書き障害」を知らない人が多いです。
 周りの「この子は勉強ができない」という誤解も、本人の「わたしは勉強ができない」という劣等感も、日本中の学校にあるのだと思います。
 「勉強ができて、良い大学に入って、サラリーマンになる」という画一的な目標・価値観を、そろそろ見直さないといけない時代になってきてるんじゃないでしょうか。
 「できることをして、幸せな毎日を、周りの人と協力して過ごす」そんな世の中になるといいですね。
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