~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

8月6日

2015-08-06 23:13:04 | 日記

今年もまた、8月6日が巡ってきました。

今年は、去年よりもさらに暑さが厳しい気がします。

でも70年前の今日、広島の空には太陽が2つあった

熱さだったといいます。地上580mで摂氏1024度

この数字を打ち込んだ後、言葉が見つからなく

なりました。

戦争は何があってもしてはいけない、正義の戦争など

ありはしないのだから…

広島の平和記念公園にある、原爆死没者慰霊碑に

刻まれている「安らかに眠って下さい 

過ちは繰返しませぬから」は、過去の人が誓った

言葉ではなく、今を生きている私達が誓い続けてゆく

言葉なのです。

今年の8月6日ほど、平和の尊さを感じたことは

ありません。

平和とは、当たり前のものとして在るのでなく

守り育て、そして確かに次の世代へと手渡して

行くものなのだと、心に強く思いました。

新聞に、栗原貞子さんのあの詩「生ましめんかな」が

載っていました。

           生まれしめんかな

 こわれたビルディングの地下室の夜であった。

 原子爆弾の負傷者達は

 くらいローソク一本ない地下室を

 うずめていっぱいだった。

 生きぐさい血の臭い、死臭、汗くさい人いきれ

 うめき声。

 その中から不思議な声がきこえて来た。

 「赤ん坊が生まれる」と云うのだ。

 この地獄の底のような地下室で今、若い女が

 産気づいているのだ。

 マッチ一本ないくらがりの中でどうしたら

 いいのだろう。

 人々は自分の痛みを忘れて気づかった。

 と、「私が産婆です。私が生ませましょう。」

 と云ったのは、さっきまでうめいていた重傷者だ。

 かくてくらがりの地獄の底で新しい生命は生まれた

 かくあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ

 生ましめんかな

 生ましめんかな

 己が命捨つとも

                 栗原 貞子

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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