今朝の「日曜美術館」で円空をやってました。
自分がなぜ円空にこんなに魅かれるのか、分かった気が
しました。
円空は母親を長良川の洪水で失っているのです。
災害があると、その地に行き仏像を彫って奉納した
そうです。その数は12万体とも言われています。
円空仏の優しい微笑みの向こうには、円空が体験した
深い悲しみがあったのですね…
今、円空が生きていたら12万体を超える仏像を
作らなければならなかったかもしれません。
今日の朝刊に、東日本大震災で行方不明に
なっていた7歳に娘さんの骨の一部が9日に
見つかり、DNA鑑定で木村ゆうなさんだと判明したと
載っていました。
発見したお父さんは、長野県の白馬から福島に
通い捜索していたそうです。
父親と妻も津波で亡くし、立ち入り許可を得て
自主捜索をしていたそうです。
お父さんは「娘からのクリスマスプレゼントを
受け取った気がする」と言われていました。
そして、「まだ一部が見つかっただけ。これからも探し
続ける」と語っていました。
この記事を前にして、言葉がみつかりません。
円空さんなら、きっと飛んで行って仏さまを彫り
お父さんに黙って差し出されたことでしょう…
深い悲しみに寄り添うには、言葉はあまりにも
無力ですから…
初女さんは、黙して聴いていました。
円空はひたすら仏像を彫り、初女さんは一心に
耳を傾ける
円空と初女さんが、このように繋がっていたとは…
円空仏の頬笑みが、より深いものとなって
私の心に響いています。