心響いた新聞の言葉があります。
写真家の藤原信也さんの自伝小説『鉄輪』から…
『家が破産し、母と共に列車に乗った高校生が、
隣席の男に「ぼく、どこに行きよるん?」と
訊かれ、鉄輪(かんなわ)と答えると
「遠いぃん?」と。
「知ちょらん」と答えると、「知らんとこに
いくんかいね」と畳みかけられ、
「家が無くなってしもうたから」と呟くと
「家がのうなっても、仏さんはついて来るけぇの
安心し…」と、声をかけられた。
大切に思うものは、死者と同じく、心を
去らなば消えはしない。』
この短い文章がズンと心に降りて来ました。
仏さまも神様も、亡くなった人も心を
去らなければ消えない、自分と共に在り続けて
くれるということです。
何と心強いことでしょう…
ひとりぼっちと思う時も、ついていて
くれるのです。
ほんに有難いです。