梅が沢山の花をつけています。
陽ざしの明るさに春を感じます。
何だか、急に谷川俊太郎の
「生きる」が読みたくなりました。
生きる
谷川俊太郎
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出す
ということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会う
ということ
そして
かくされた悪を注意深く
こばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えると
いうこと
いま地球が廻っていると
いうこと
いまどこかで産声があがると
いうこと
いまどこかで兵士が傷つくと
いうこと
いまぶらんこがゆれていると
いうこと
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ