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ジェシー・ウィルコックス・スミス、20世紀アメリカ、イラストレーション黄金時代、女流。
また休もうか。虚栄と権力に溺れる人間の醜い姿ばかり見ていると、疲れるだろう。
何も知らなかった子供の時代に帰ろう。雨が降って外で遊べない日は、母が本を読んでくれた。暖かな思い出だ。
あの頃はまだ、自分が馬鹿なことをして、こんなことになるなんて、思ってもいなかった。人生は明るいことに満ちていて、楽しいことばかりだった。愛がいつも周りにあった。
当然だと思っていたあれらのことが、どんなに大切なものだったかと分かった時には、自分は遠いところにいる。帰りたいが帰れない。どこに行けばいいかわからない自分を抱いて、もう一度あの頃に戻ってやり直したいと思っている。それが馬鹿なことだとわかっていながら。
答えがわかり、自分で自分を歩き出すその前に、ほんのつかの間、幻を見ていても、許してあげよう。泣いてもかまわない。
あれは本当に大切なことだったのだ。