このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
やまねこデイサービスが公休の日、私は時々喫茶店アルファヴィルで接客を手伝っている。
今日はオーナーがNPO法人なごやか主催の認知症カフェで美味しいコーヒーを入れてくれることになっており、その不在の間、私がアルバイトのIさんとお店に立っていた。
たぶん、なごやかの理事長はオーナーのコーヒーよりも、その優れたホスピタリティを借りたかったのだろうと私は想像している。
当のオーナーも、口にこそ出さないが理事長の願いはお見通しのようだった。
小柄なIさんは、赤いポニーのワンポイントが入ったTシャツのほかはいつものように全身黒づくめで、さながら女スパイといったいでたちだ。
どこかでお花見はしました?
私が尋ねると、Iさんは少しためらってから答えた。
ううん、故郷の弘前の桜を見て育っているので、よそのものでは満足できないの。
今年も満開のところを見に、ゴールデンウィーク前に帰ろうと思っています。
へええ、それはいいですね、と私が言うと、彼女はいたずらっぽく笑った。
夫と結婚する時に、少し困らせてやろう、と思いつきで言った条件だったの。
それがだんだん習慣になって、あちらの桜にも一層愛着が湧いて。
私の郷土愛は桜とイコールなのね。