このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
NPO法人なごやかの理事長はとても良い上司なのだが、一点だけ難がある、と私は長く思っていた。
それは、法人内外の公式行事に出席する際、必ず蝶ネクタイ姿で現れることだ。
私は世代が違うので詳しく知らないけれど、なんでも、かつてアイビーというライフスタイルがあって、その絶滅危惧種の方々はそういったいでたちを好むのだそうだ。
先日も、なごやかの事業所が入居するK市直営のビルの竣工式に蝶ネクタイでやって来て、ひときわ異彩を放っていた。
この田舎町で、知らないひとが見たら狙って悪目立ちしていると誤解されるかもしれませんね、と私は隣りにいたグループホームジョバンニのT管理者へ非難めいた感想をつい述べてしまったのだが、理事長と同年代のTさんは優しく笑って首を振った。
「大震災後は特にご苦労されたのだもの、お好きなようになさって構わないと思うの。私たちの世代は、もうそれが許されていいと思うのよね。」
はっとした。確かにそうかもしれない。
ふだん働きづめの理事長が珍しく高揚し、背筋が伸びている。
それでいて特段、出過ぎるわけでもなく、いつものようにきれいなスピーチをきれいに読んで、あとは控えめに自席に座っているだけだ。
まだまだ私は理事長、あるいは男性への理解が足りないな、とひどく反省した。
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