「春間近のこの佳き日、駅前プラザが無事、落成の日を迎えることができましたことは、ひとえに菅原市長様はじめ、担当各課の皆様、ならびに施工を担当された大和リース様のご尽力の賜物と、深く感謝申し上げます。
七年前、未曽有の大災害に襲われた気仙沼市民の多くが避難所で、また自宅で、寒さと不安に震えながら過ごしていた日々を思い返しながら、この立派な建物や市内各所に建設された高層の災害公営住宅に目を移すと、隔世の感を禁じ得ません。
当法人も、計四事業所が津波で流失するという甚大な被害を蒙っております。
しかし、その直後に本市より上中新月地区LSA事業を委託していただいたのを皮切りに、一関サポートセンターの運営、さらには幸町の南地区高齢者相談室の運営も受託し、それが法人の危機的状況を乗り切る大きな支えとなったことはまぎれもない事実です。
周辺市町村のほとんどが、おもに社会福祉協議会へ一括委託する中で、本市だけは我々NPO法人、社会福祉法人、あるいは株式会社など、多様な民間法人が事業委託を受けております。
これは、多様性に関して寛容な歴史や土地柄を持つ本市ならではの懐の深さであると感服するとともに、この場をお借りして、市長様がたへ改めて心より感謝申し上げます。
南地区高齢者相談室を受託する際に、S保健福祉部長様から、なごみはどんな相談室にするつもりかと問われ、私は、心も財産も傷つき、目を落としがちな被災者のみなさんが、この相談室から帰られるときには以前のように頭を高くあげている、そんなオアシスのような場所にしたいのです、とお答えいたしました。
その気持ちは今も変わっておりません。
NPO法人なごみはこれからも市内介護サービス事業者の先頭に立って、本市のため、市民のみなさんのため、大いに汗をかいてまいります。どうぞご安心ください。
長くなりましたが、この駅前プラザが本市ならびにテナント各社の新たな躍進へのスタートとなり、ますますのご隆盛をきわめられますことを祈念いたしまして、私のつたない祝辞に代えさせていただきます。
本日は誠におめでとうございます。」
(上・中・新月地区高齢者相談室が入居する「駅前プラザ」ビルのオープニングセレモニーにて 平成30年4月1日)