昨日は家内と一緒に、フェルメール展を見に、豊田市美術館に行ってきました。フェルメール展といってもフェルメールの作品は1点だけですが。(笑)私が勝手に「フェルメール展」とまぁ便宜上言ってるだけで、正式の展覧会は、「フェルメール、なんたらかんたら」という感じなので、羊頭狗肉だと言うつもりは毛頭ありません。
当展覧会はフェルメールを含む17世紀のフランドルの絵の展覧会です。その当時の絵にはよくリュートが描かれているので、今回もそれを探してみましたらやはりありましたです。
全部で4点ありました。
1 ローマの広場を描いた作品。画面下方左寄りにテオルボかアーチリュートを弾いている人が描かれています。その部分自体は小さいので、楽器について詳細には描かれていませんが、あまり大型の楽器をではないようなので、アーチリュートの可能性の方が高いでしょう。1640年頃の作品なので、まだツァンボーニは生まれていません。ピチニーニやカプスベルガーはもうおじいちゃんになっていた時期で結構微妙な頃です。
2 演奏家を描いた作品。7コースのルネサンスリュートがうつ伏せになっています。リブは色違いまだらタイプ。この絵は17世紀の作品ですが、描かれているリュートその時代にあっては随分古いタイプ(16世紀に主流であったタイプ)です。
3 同じく演奏家を描いた作品。こちらはリュートを弾いている人を正面から描いています。楽器は多分10コースでしょう。でもひょっとすると11コースかも。バスライダーはありません。バス弦はオクターブ弦より濃く描かれているおり、プレーンガットではないことがわかります。おそらくローデドガットでしょう。10コースとか11コースの楽器は17世紀の第1四半期頃によく使われていたタイプの楽器で、この作品が描かれた頃(17世紀はじめ頃)のものです。この時代にはまだフランドルの特有のバスライダーをもった楽器は現れていません。ちなみにフェルメールの「窓辺でリュートを弾く女」が弾いているリュートもフランドル式バスライダーがないタイプです。
4 ヴァニティ(虚無)をテーマにドクロなどと一緒にリュートが描かれている作品。リュートという楽器は享楽、享楽の果ての堕落、虚無とかいった寓意で描かれることが多いのです。虚無がテーマの場合は、弦が切れているなどで演奏できない楽器であったりします。本作品は、色がくすんでいて弦が切れているかどうかは判断できません。それにうつ伏せに描かれていますので、もともと切れた弦は描かれていないのかもしれません。そのかわりというのもナンですが、フレットが3フレットまでしか巻かれていません。普通フレットは8とか9本巻きますので、三分のニ以上のフレットが切れてしまっている楽器です。相当長期間放置されてた楽器という感じがします。ちなみにロンドンのナショナルギャラリーにあるホルバインの「大使たち」という特大の絵には、ドクロとともに1弦が切れたルネサンスリュートが描かれています。
展覧会を見終わったあと、館内の喫茶店で以上のようなことを家内に講釈をしておりました。壁一面がガラスになっているお店で、遠くの山々の稜線がとても綺麗でした。その稜線の上にはずらっと積乱雲が連なっていましたが、これがその数時間後に局地的豪雨をもたらした雲だったのかもしれません。
当展覧会はフェルメールを含む17世紀のフランドルの絵の展覧会です。その当時の絵にはよくリュートが描かれているので、今回もそれを探してみましたらやはりありましたです。
全部で4点ありました。
1 ローマの広場を描いた作品。画面下方左寄りにテオルボかアーチリュートを弾いている人が描かれています。その部分自体は小さいので、楽器について詳細には描かれていませんが、あまり大型の楽器をではないようなので、アーチリュートの可能性の方が高いでしょう。1640年頃の作品なので、まだツァンボーニは生まれていません。ピチニーニやカプスベルガーはもうおじいちゃんになっていた時期で結構微妙な頃です。
2 演奏家を描いた作品。7コースのルネサンスリュートがうつ伏せになっています。リブは色違いまだらタイプ。この絵は17世紀の作品ですが、描かれているリュートその時代にあっては随分古いタイプ(16世紀に主流であったタイプ)です。
3 同じく演奏家を描いた作品。こちらはリュートを弾いている人を正面から描いています。楽器は多分10コースでしょう。でもひょっとすると11コースかも。バスライダーはありません。バス弦はオクターブ弦より濃く描かれているおり、プレーンガットではないことがわかります。おそらくローデドガットでしょう。10コースとか11コースの楽器は17世紀の第1四半期頃によく使われていたタイプの楽器で、この作品が描かれた頃(17世紀はじめ頃)のものです。この時代にはまだフランドルの特有のバスライダーをもった楽器は現れていません。ちなみにフェルメールの「窓辺でリュートを弾く女」が弾いているリュートもフランドル式バスライダーがないタイプです。
4 ヴァニティ(虚無)をテーマにドクロなどと一緒にリュートが描かれている作品。リュートという楽器は享楽、享楽の果ての堕落、虚無とかいった寓意で描かれることが多いのです。虚無がテーマの場合は、弦が切れているなどで演奏できない楽器であったりします。本作品は、色がくすんでいて弦が切れているかどうかは判断できません。それにうつ伏せに描かれていますので、もともと切れた弦は描かれていないのかもしれません。そのかわりというのもナンですが、フレットが3フレットまでしか巻かれていません。普通フレットは8とか9本巻きますので、三分のニ以上のフレットが切れてしまっている楽器です。相当長期間放置されてた楽器という感じがします。ちなみにロンドンのナショナルギャラリーにあるホルバインの「大使たち」という特大の絵には、ドクロとともに1弦が切れたルネサンスリュートが描かれています。
展覧会を見終わったあと、館内の喫茶店で以上のようなことを家内に講釈をしておりました。壁一面がガラスになっているお店で、遠くの山々の稜線がとても綺麗でした。その稜線の上にはずらっと積乱雲が連なっていましたが、これがその数時間後に局地的豪雨をもたらした雲だったのかもしれません。