リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

GVIDO or iPad Pro?

2018年03月27日 21時53分31秒 | 音楽系
先日東京に行った際、山野楽器に立ち寄りGVIDOの実物を見てきました。GVIDOというのは、電子楽譜閲覧器でして、ヴァイスのドレスデン写本もロンドン写本もPFDにして、このGVIDOで読むことができます。

画面はノートパソコンやiPadとは異なりワコム製の電子ペーパーを使用していますので、見た目はとても紙に近いものです。もうほとんど購入に傾いていましたが、実機を見てみないと重要なことがわからないので見に行ったわけです。

結論として、コンピュータとしての性能、ファイル読み込み速度、管理できる分量・方法、タッチペンの使い勝手など、画面がA42枚分表示できることを除いて、すべてiPad Proに劣ることがわかりました。やっぱりHPからの情報だけではわからんもんです。モノがモノだけに、プロのレポートはほとんどなかったし。要するにプロが使うヘビーデューティなツールではなかったということです。まぁ、今後には期待しますが・・・

最初は、もしGVIDOがあまりよくなくても、フットペダルだけでも買おうかと思いましたが、これも大して使い勝手はよくなかったです。お値段が三分の一もしないPED proの方が充電式だし、コンパクトなのでこっちを買うことにしました。実はどちらも使い心地に問題があり、それ以外はPED proの方がずっと扱いやすいのです。



それでiPad proを買おうといろいろ情報をネットで見ていましたらなんと、今日の深夜に2018年版のiPad proが発表されるそうな。危うく旧型を買ってしまうところでした。なんでも新型はiPhone X みたいなナロウベゼルなので外寸は変わらないが、画面は大きくなるらしいです。それならなおのこと楽譜を見るのにはより好都合です。

新型がいつ発売かはまだわかりませんが、それまで待って本番にも使ってみようかと考えています。楽譜を見るとき大体は3ページに収まりますが、中にはもっとページが多くなる曲もあるので、あれば便利です。何よりオリジナルの写本を最近ではPDFでよく入手するのですが、これを紙媒体に印字して製本してという昔ながらの作業から解放され、いきなりデータから演奏することができます。これってある意味革命的です。

もう40年以上も前にとっていた方法。

40年前:
ロンドンの大英博物館(大英図書館)にヴァイスの写本があることを知ったので、そこに手紙を書いてマイクロフィルムを売ってもらう。なぜか鷹揚な大英図書館はまだお金も払っていないのにマイクロフィルムを送ってくる。

それをポジのフィルムなら反転させたフィルムを作り、それももとに印画紙に焼き付ける。そのあと一連の写真現像の手順を経て、水洗い、乾燥、そのあときちんをページ順に並べなおして、次に製本です。

これでやっと楽譜として使うことができるのです。

ところが今は:
図書館からPDFをダウンロード(無料のところも結構ある)。それをiPad proに入れる(クラウドにも保存しておいた方がなにかと便利。本番のときに楽譜を忘れても大丈夫です。まだ本番に楽譜を忘れたことはありませんが)。これだけで楽譜として使用できます。なんという画期的なことでしょう!手間も経費もけた違い。それに何十冊も放り込んでも、iPad proの700gぐらいの重さは変わりません。紙の本にすればロンドン写本だけで、1キロは優に超えるというのに。

ということでぼちぼち新型の発表がありそうなので、このくらいで。