リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ブラックアウト

2018年09月07日 10時16分37秒 | 日々のこと
台風が過ぎ去ったと思ったら今度は大地震です。北海道の山崩れには驚きました。今までに知っている山崩れというのとは次元が異なり、同時多発山体崩壊とでもいうべき感じがします。

今回の地震で電力供給にも大きな影響が出ています。北海道中で今だに停電が続き、完全に復旧するのには一週間以上かかるということです。この「ブラックアウト」は北海道全体で大地震が起こって、各地の発電所がやられたというのが原因ではないそうです。

北海道電力の発電体制が、今回被害を受けた苫東厚真火力発電所(出力165万キロワット)に依存しすぎていたというのが原因とのことです。これは東日本大震災を受けて、泊原子力発電所(出力207万キロワット)の稼働停止以降のことで、北海道電力はその危険性は承知していたようです。「ブラックアウト」に陥る危険を避けるため、北海道電力はガス火力発電所の新設を決め19年に完成予定でしたが、今回の地震には間に合わなかったのです。

東日本大震災後に当時の菅政権がかなりヒステリックに世論を煽って日本全国の原発を止めてしまいました。恐らく電力の専門家は今回のような事態は知っていたはずですが、恐らく冷静な議論なしに政治的パフォーマンスで決定した感じがします。

原発に関しては、作る前の議論ならいざ知らず、すでに作ってしまっているわけなので、多岐にわたる慎重な議論を経て総合的に判断すべきことだと思います。原発は危険だから即廃止すべきだというのは、あまりにナイーブな議論です。

危険だと言って原発を稼働停止させ、それが原因でブラックアウトが起こり、さらに当然稼働停止している原発の電源も停止し、原発自体が危機にあった(難は逃れたようですが)のは皮肉なことです。結果論ですけど、「危険な」原発を稼働させていれば、今回の事態には至らなかったというこです。

それにしても、再生エネルギー賦課金の問題もそうですが(今月も2000円近くをたくさんお金を儲けている業者さんに献納させていただきました)7年前の菅直人民主党政権の失政には誠に罪深いものがあります。(民主党政権は菅直人政権以外もたくさん「亡国的」失政がありましたが)

国のトップの決断は実に重いものがあります。私は今回の「ブラックアウト」は人災ではなかったかと思うのですが、このような事態に陥らないためにも、私たちは政治家の言動に対し、しっかり目を見開いていなくてはなりませんし、選ばれた政治家も負託に値する行動をとらなくていけないと思います。