学園祭の模擬店

　私は軽音楽部にも所属していたきれども、本業は写真部で部長をやっていた。

　学園祭で模擬店をやることになった。おしるこやらサラダを売る模擬店があったが、私は労力の割りに儲けが少ないと思っていた。

　当時、私は酒が一滴も呑めなかったが、アルコールを売ろうと思いついた。そこで、写真ギャラリー喫茶という名目で、学食の２階をおさえた。

　図に当たって、アルコールはものすごく売れた。ビールや日本酒は売らず、カクテルだけにした。

　酒に経験の薄い学生たちだから、泥酔し始めたらカクテルを水で薄めて出した。料金は同じである。最後には、ただの水だけを出したが、学生たちは気付かなかった。

　大儲けである。おしるこやサラダの１００倍儲かった。部員たちもあまりの繁盛ぶりに乗りに乗ってしまった。これによって、写真部の結束がいっそう深まった。