院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

じっさいの分類に先立って言葉による分類があった

2017-11-04 00:02:47 | 日本語

(ウサギ。ウィキペディアより引用。)

 イヌもネコもウサギもみな四つ足である。幼児はこれらをみな「ニャンコ」と呼ぶ。

 そこに「イヌ」「ネコ」「ウサギ」という単語が入ってきて初めて、これらは区別されるようになる。本稿で言いたいのは「現実の分類に先立って、言語による分類がある」ということで、その逆ではないという点である。

 たとえば「心身」といい「こころとからだ」という。この場合、実際の「心」や「身」が、あらがじめ存在しているわけではない。言葉のほうが先にあったのだ。「心身」を分けたのは現実ではなく、まず言葉だった。

 したがって「心身問題」を「心」の側から研究しようが「身」の側から研究しようが、それらは恣意的であり、あらかじめ「心」と「身」が分けられて存在していたのでは決してない。「心身」を分けたのは人間の勝手に過ぎないのである。

 ※今日の狂歌
   その犬はボロ布めきて痩せこけて餓鬼のごとくに菓子パン食らう
   中里ひとし(愛知県)


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4 コメント

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Unknown (かわひらこ)
2017-11-07 13:05:07
冒頭のご指摘は、いわゆるピアーウオーフの仮説ではないかと思いますが、いかがでしょう?
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2日間入院 (院長)
2017-11-07 15:55:09
かわひらこさん、こんにちは。
実は11月5日に意識混濁となり(肝性脳症)2日間入院していま自宅に戻ったところです。
私はピアーウオーフの仮説というのを知りません。
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Unknown (かわひらこ)
2017-11-07 16:17:57
それはたいへんでしたね。
ブログを書くのは意外とエネルギーが要るものです。
学兄の鮮やかな切り口の(しばしば辛辣な)エセーを読むのは非常な楽しみですが、しばらくは養生優先に願います。「へんちき」ロスは嫌ですから。
サピア-=ウォーフの仮説Sapir-Whorf hypothesisは言語学上の仮説で、私流におおざっぱにいえば、ことばが認識を枠づける(スキームになる)ということです。認識を表す概念が創りだされるのではなく、ことばに沿った概念が認識を方向づける(あるいは決定する)ということです。もっとも、ことば(記号)に付着する概念は認識からフィードバックされる面もあるのではないかというのが、日頃、法解釈について悩んでいる私のささやかな疑問です。
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認識の枠づけ (院長)
2017-11-07 16:30:17
私が言いたかったことは、まさにピアーウオーフの論と同じです。
言語学者はとっくに同じようなことを言っているのですね。
(同期会は出席の予定です。その日だけは意識混濁にならぬよう、いまから祈っています。まえぶれがゼロなので。)
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