院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

医療費削減が意味するもの

2017-10-28 00:03:10 | 経済

(むかしの看護師。ウィキペディアより引用。)

 年間約40兆円かかっている医療費を1兆円減らそうという案が財務省にある。医者は儲けすぎだから削減はいいことだと考える人が多いかもしれない。だが、根本的な間違いがそこにはある。

 医者は収入から看護師やレントゲン技師を雇う。医者の収入が減ると、看護師やレントゲン技師の収入も減ることになる。さらに、レントゲン装置や医療器具が買えなくなる。または質が落ちる。その結果、それらを作る人たちも不景気になる。

 さらに言えば、医療と直接関係がない分野、すなわち建築屋や事務員、果ては掃除のおばさんの収入も減るか失業する。こうして医療費削減の影響は医療分野に留まらなくなるのだ。

 一か所をいじると他の思いもよらない場所に影響が出てくる。ここが経済政策の難しいところである。

 ※今日の短歌
    山荘は吹奏楽部の合宿か草越えてくる<クワイ川マーチ>
    三井修(塔)


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