(理研の記者会見。朝日新聞の医療サイトより引用。)
平成26年12月19日の記者会見後、相沢慎一特任顧問が意を決して「研究者を犯罪人扱いしての検証は、科学の検証としてあってはならないこと」と述べました。今回の記者会見で彼が一番言いたかったことでしょう。ではなぜ、監視付きの再現実験が行われたのでしょうか?それはマスコミや世論や監督官庁の圧力をなだめるためだったと私は考えています。(こういう非合理的なことは科学者が一番やりたくないことです。)
今回の再現実験は多くの科学者が無駄だと考えていました。それは小保方さんの実験ノートが小学生並みだったこと、「200回以上成功した」という杜撰な回答があったことなどからです。(「200回以上」ではなく「214回」とかいうように正確に示さなければ科学者とは言えません。)でも、無駄だからやらないと言うとマスコミが黙っていないでしょうから、取り調べのような実験を無理にやったのでしょう。
ここで、STAP細胞事件にかんするこれまでの私の見解を総括しておきます。
(1)「空想虚言癖」というもの(2014-06-17)
ここで述べたW教授というのは山梨大学の若山教授のことです。ニセの細胞を渡されたと気づいたとき、若山教授は怒りではなく「彼女はいったい何なんだ!」という激しい恐怖感に襲われたことでしょう。でも、「空想虚言癖」という用語はマスコミにわずかしか登場しませんでしたね。
(2)続・小保方さんの記者会見に寄せて--愚劣なマスコミ(2014-04-12)
小保方さんが「独立にSTAP細胞作製に成功している人がいる」と言ったことに対して「個人名をここで言え」と迫ったマスコミの愚劣さに怒りを覚えました。
(3)小保方さんの記者会見に寄せて--素人が学術論文について論じる愚(2014-04-10)
科学者は再現性が証明されるまで浮かれてはいけなかったのです。また、記者は素人ですから、科学者は科学とはどういうものかを記者に噛んで含めるように説明する必要がありました。
(4)STAP細胞は存在するのか?という愚問(2014-03-15)
やはりマスコミはゴシップ好きの野次馬集団だと強く思いました。
(5)研究発表は静かに行われ、静かに追試されるべき(2014-03-12)
笹井さんはここで致命的な失敗を犯しました。STAP細胞のマスコミへの発表をもう一年待てば自殺しなくて済んだのにと残念でなりません。
(6)小保方さんや理研を責めてはならない(2014-03-10)
論文発表でしかない段階で記者会見なぞやってはいけなかったと、ここでも強く思います。研究者の鏡のような笹井さん痛恨のエラーでした。Nature 誌の査読はブラインドではありません。編集部への笹井さんの強い働きかけがあったから掲載されたのだと思います。
(7)STAP細胞は再生医療には当分使えないだろう(2014-02-01)
この段階では半信半疑ながら私にもまだ希望がありました。疑問とは酸のみで細胞が初期化するものか?「ヘイフリック限界」はどのようにクリアできたのだろうか?など。
(8)理化学研究所の小保方晴子さん(2014-01-31)
最初の記者会見が行われた当初から、私は再現性はまずないだろうと思っていました。でも、万一再現性があればノーベル賞だとの淡い期待もあったのです。小保方さんに好感ももっていました。
これでは〇〇寺のご祈祷は喘息に "効く" とかわりません
科学の世界ではみな非常に苦労してあいまいさを排除してきました。
ただ、精神現象の厳密な測定はもっとも難しく、「そんなふうに数値化しちゃっていいの?」というような試みが見られます。
コメントありがとうございます。