院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

健康食品(サプリメント)の効能書き解禁によせて

2014-05-15 05:31:18 | 医療

愛知県衛生研究所のHPより引用。)

 製造会社の自己責任において「何々に効く」と書いて健康食品(サプリメント)を販売してもよいことになるらしい。

 そうすることによって、消費者の見る目が厳しくなって、本当に「何々に効く」食品が生き残って、まやかしの製品は淘汰されると当局は言うが、絶対にそうはならない。逆に、まやかしの食品や物質が一層蔓延することになるだろう。薬が効くか効かないか素人には絶対に分からないから、医者や薬剤師の存在価値があるのだ。

 アメリカは今までサプリメント天国だった。サプリメントどころか、日本では医者にしかもらえない薬が普通に薬局で買えた。だが、ここにきてサプリメントが効能通りでないと訴える人が出てきて、サプリメントの反省期に入っている。

 このブログで私は、薬品の二重盲検試験の重要性を口をすっぱくして言ってきた。また、二重盲検試験は研究者の良心にかかっていて、試験をしなくても論文が書けることを指摘した(2013-07-13)。

 今後、サプリメントを売りたいがために、やってもいない二重盲検試験の論文がたくさん出てくるだろう。そして、サプリメント長者がますます出てきて、中には論文の捏造がバレてお縄になる長者が生まれるだろう。一人か二人お縄になって、他の多くの長者はおとがめなしで、うどん粉を丸めただけの「薬」は一層跋扈するだろう。

 以前、ポルトガルに旅行したとき、テレビで盛んに「痩せる指輪」を宣伝していたのには驚いた。これは口に入れるものではない、すなわち食品ではないから、新たな基準は適用されないのだろうか?そうだとしたら、業者は指輪を粉末にして飲ませるように画策するだけだ。

 今回の「規制緩和」は健康シーンや医療界に、手ひどい傷跡を残すだろう。

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