院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

無辜(むこ)梅毒

2017-08-16 17:51:12 | 医療
 無辜(むこ)梅毒という用語をむかし習ったけれども、この用語は現在でも使わているのだろうか?梅毒患者との sex がないのに梅毒にかかってしまった状態を指す。どこから感染したかというと、手が多い。とくに医者は梅毒患者の患部を素手で触ることがあるから、医者に多い。

 無辜というのは「罪がない」という意味だ。商売でない普通の sex でも sex そのものが宗教的に罪悪だとの立場から作られた用語なのか、それとも売春はいけないという考えから出た言葉なのか、その出自は知らない。

 むかし日本の赤線の売春婦は医療的に定期検査がおこなわれ、その上で売春が認められていた。しかし、公娼は人身売買だ女性蔑視だとの声が高まり、昭和33年売春そのものが禁止された。


(吉原遊郭。ウィキペディアより引用)。

 西欧でも同じように売春禁止である。しかしながら、最近、西欧では売春婦が経済上の理由と医療管理上の問題から、「実際には売春は続いているので」合法化せよ声をあげるようになった。もっともな要求である。

 医療的な管理が行き届けば梅毒は激減すると思われる。でも、いくら医療上よいからといってもやはり売春はいけない、と考える人も多いだろう。そういう人は次の夏彦翁の言葉をどう思われるだろうか?「いつの世にも売春しかできない女というのがいるのだ!」。

 ※私の俳句(秋)
    椅子積まれ草の花咲く海の家

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