20年ほど前、先輩医師たちが、しきりにアリナミンを処方していた。風邪薬にちょっとアリナミンを加えるという感じである。
当時、風邪にはビタミン剤が効くと考えるような風潮があった。なんの証拠もないのに、ムードだけでアリナミンを追加処方していたのだろう。不思議に健康保険が有効だった。
精神安定剤にもアリナミンを付け加えた。これは、さすがに意味が分からなかったので、私はマネしなかった。
それから、しばらくして、ビタミン剤は健康保険が効かなくなった。根拠は「口から普通に食べ物を食べている人に、ビタミン剤は要らない」というものだった。健康保険組合の見解としては、珍しくまっとうだと私は思った。
以来、今日までビタミン剤は、普通に食事をしている人には、健康保険が効かない。
その代わりに、アリナミンのテレビ宣伝が今でも多い。ビタミン剤を飲めば元気が出たような気になるのだろう。厚労省もそれを規制しようとはしない。
厚労省は科学的根拠よりも、国民が元気になったような錯覚に陥ることを重んじているのだろう。行政がしばしばこのようなスタンスをとることは、私が名古屋市の役人をしていた時代に、本物の役人から教わった。そのことは 2011-10-13 の放射能「除染」の記事にも書いた。
当時、風邪にはビタミン剤が効くと考えるような風潮があった。なんの証拠もないのに、ムードだけでアリナミンを追加処方していたのだろう。不思議に健康保険が有効だった。
精神安定剤にもアリナミンを付け加えた。これは、さすがに意味が分からなかったので、私はマネしなかった。
それから、しばらくして、ビタミン剤は健康保険が効かなくなった。根拠は「口から普通に食べ物を食べている人に、ビタミン剤は要らない」というものだった。健康保険組合の見解としては、珍しくまっとうだと私は思った。
以来、今日までビタミン剤は、普通に食事をしている人には、健康保険が効かない。
その代わりに、アリナミンのテレビ宣伝が今でも多い。ビタミン剤を飲めば元気が出たような気になるのだろう。厚労省もそれを規制しようとはしない。
厚労省は科学的根拠よりも、国民が元気になったような錯覚に陥ることを重んじているのだろう。行政がしばしばこのようなスタンスをとることは、私が名古屋市の役人をしていた時代に、本物の役人から教わった。そのことは 2011-10-13 の放射能「除染」の記事にも書いた。