(ホトトギス・ホームページより引用。虚子記念文学館。)
「諸悪の根源は農耕にあり」のシリーズは今しばらく続ける予定だが、俳句界についてホットなニュースが入ったので、今回はそれがテーマである。
ホットなニュースというのは、ホトトギスの主宰(家元)の稲畑汀子さんが勇退して、家元を息子の廣太郎さんに譲るということだ。
かねてからこの欄に書いてきたように、家元が必ずしも名人上手とは限らない。それでも汀子さんがホトトギス主宰(家元)であり続けたのは、じつはホトトギス同人や会員が戦前派で、家元を尊重することに疑問を感じない世代だったからだ。同人は現在ほとんど80歳以上である。
だが、それより下の年齢層は、家元の血脈を盲目的に尊重する世代ではもはやない。彼らが廣太郎さんを支えるかどうかは未知数である。
汀子さんは20年ほど前から、テレビに出るたびに廣太郎さんを連れてきた。自分の跡目を継がせるためのお披露目であることは明らかだった。それをホトトギス・シンパの人々(現在70歳くらいの戦中戦後世代)さえステージママだマザコンだと陰口を言っていた。
現在の同人が死に絶えれば、陰口を言っていた世代の人たちが同人となり、廣太郎さんをたてまつる派とそうでない派に分裂するかもしれない。
少なくとも私の俳句友達は、「俳句結社って、主宰を教祖とする宗教団体みたいだね」と言っていた。