(名鉄名古屋本線。ウィキペディア「名古屋鉄道の車両形式」より引用。)
いまから20年と少し前、私は名古屋から豊橋の勤務先まで名鉄(名古屋鉄道)で通っていました。
当時、名鉄の駅は汚く、たばこの吸い殻やゴミが落ちていて、ホームや線路に痰を吐く人がたくさんいました。駅のトイレも、どうやったらここまで汚くできるのだろうと思えるほどの不潔さでした。
そのころ、歌手の安室奈美恵さんが大人気で、駅の太い柱に彼女のポスターが大量に貼られていました。乗客は列を作らず、電車の扉が開くとわれ先に乗ろうとするので、扉のところで人垣ができてつっかえてしまいます。押し合いへし合いして、やっと乗車ができました。
いまは全然違います。ホームにはゴミが落ちていないし痰を吐く人もいません。乗客は整列して扉が開くのを待っています。トイレがきれいになったばかりではなく紙さえ常備されるようになりました。
こうなったのは同じ人のマナーがよくなったからではありません。マナーの悪い人が死んだか、老いて電車に乗らなくなったか、のどちらかです。ジェネレーションが変わっただけなのですね。
風俗習慣というものは、その人たちが死に絶えないと変わらないものだと私は思っています。