時期柄「今年もお世話になりました」と挨拶して店を出ることが増える。一年ごとに人との関わり方が変わるのは今の年代だからだろう。家庭のあり方が生き方に繋がる。生き方と大仰なものではなく生活の仕方が変わる。変わらない方がおかしい。かつて出来ていたことが出来なくなる。当たり前のことだ。早起きが苦手になった。元からだ。外へ出かけて久しく足を運んでいなかった店に寄り、運良く店長さんが在店していたので長話になった。ここには詳細を割愛する。徹底した趣味と美的感覚をうれしそうに楽しそうに、赤く染めて整えた手指を振りながら店長さんはマスクからでもわかるほど目を細めて語っていった。体重を支える足が重くなるのを感じながら店長さんの話を聞いてこれもまた久しぶりに、人生は楽しんでよいものなのだとはっと目が開いた。楽しむためにこうしたものがあるんですよ、お客様に私は楽しんでもらいたいです。と商品に触れて眺めながら自分も商品のマヌカンとして立つ店長さんはいつお会いしても品物を楽しんでおり、そして私という買わない客と話すことを楽しんでいた。楽しいんです、と何度も伺う。ああ楽しんでよいのだ、人生は積極的に楽しいと感じてよいのだ、と店長さんの笑顔を見て私は静かに感動していた。帰宅するとあっという間に抜けてしまう感動を留めるために短く文章をまとめている。立ち話は二時間近くにもわたっていた。その間にも常連の客が来ていたので店長さんを独り占めにしてしまったことを申し訳なく思いながら、強く勧められた商品を買おうかどうかを今年最後の悩みに留めたいと思う。
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