いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

独自の自衛隊派遣。 independent dispatch of the self-defense forces

2019-10-25 20:06:40 | 日記
 (1)政府は中東石油タンカーの安全航行のために来年早々にオマーン沖に海上自衛隊護衛艦を派遣することを検討している。ホルムズ海峡の安全航行では米国が有志連合構想を打ち出して日本にも参加を求めているが、イランへの圧力行動ととらえられてイランとの独自の友好外交関係を持つ日本としてはこれに参加しない方針を示してきた。

 このたびのオマーン沖への海上自衛隊護衛艦の派遣は唐突なもので日本独自の判断行動であり、米国の顔を立ててイランとの友好関係にも配慮するというものだった。

 (2)安保法制審議の時にも集団的自衛権の行使にともない同盟国と共同して海外紛争地域への自衛隊派遣が問題となったが、日本籍タンカーの安全航行のためという日本独自の自衛隊海外派遣であり、同地域での艦船攻撃も伝えられる中で紛争に巻き込まれる危険、可能性もある地域への日本独自の自衛隊派遣は安保法制の基準にもそぐわないなし崩しの自衛隊の海外派遣の常態化であり問題だ。

 (3)派遣根拠がないので防衛省設置法の「調査・研究」による情報収集活動による(報道)ものだが、本来目的(タンカー安全航行)とはかけ離れてオマーン沖まで出かけて情報収集活動する意味のないもので無理がある。

 国連安保理決議による国際的な安全航行を求める外交姿勢が優先されて、イランに配慮してオマーン沖派遣というならイランとの友好外交関係による安全航行の外交努力、姿勢が先決であり、仮に中東海域で紛争が発生した時に日本独自の自衛隊派遣はどう対処するのか紛争に巻き込まれる危険性、可能性はあり避けられない。

 (4)目の前で紛争が起きて日本船舶に関係ないとして傍観するだけということができるのか、考えられない。日本独自の紛争が起きる危険性のある地域への自衛隊の海外派遣であり、安保法制を含めても憲法第9条に違反するものであり、国民の理解があるとは思えない。

 国連安保理決議、イランとの友好外交関係優先が先決だ。与野党は今臨時国会で問題点を取り上げて審議して、なし崩しの自衛隊の海外派遣の常態化を容認すべきではない。

 (5)国連PKO活動参加による自衛隊の海外派遣は行われてきたが、政府独自の判断による紛争も考えられる地域への自衛隊の作戦派遣は聞いたことがなく、今回のオマーン沖への護衛艦派遣は米国などの有志連合作戦、イランの反発、サウジの関与など複雑な国際関係、関与が錯綜するもので、日本独自の判断関与による自衛隊のオマーン沖派遣は憲法上の問題とともに紛争リスクの大きい危険な単独行動だ。

 政府としては米国とイランの顔色をうかがっている場合ではない。国連を中心として国際協力体制、関与に結びつける働きかけが重要だ。

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