いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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薬のネット販売。 internet sale of marketable medicine

2013-11-07 19:37:44 | 日記
 (1)インターネット時代を迎えて商品のネット販売利用も一般的な商取引として認知されるようになってきた。超高年令社会を迎えて移動も十分でない高年令者も自然に増えて、ネット販売を利用した商品購入は便利で時代の要請である。

 商品を実物確認でなくてカタログ(catalogue)で選別するネット販売では、「表示」に対する提供者と購入者の相互信頼の原則で成り立つ高度成熟社会を前提としている。
 実物確認の対面販売でも、今問題となっている食事メニューの擬装問題をはじめ表示信頼の原則が保障されない社会問題はついて回るわけだから、カタログによるネット販売だけを特別なものとしてとらえることも出来ないネット時代の要請であり社会事情だ。

 (2)安倍首相が成長戦略として市販薬のネット販売(internet sale of marketable medicine)を解禁促進して新規ネット事業の参入、起業を促進しようという政策は、副作用を審査中であっても店頭販売開始から3年経過した市販薬は原則ネットでの販売を解禁するという方針を打ち出した。

 これに対してネット事業者は市販薬の全面ネット販売解禁を求めて、店頭販売は認めながらネット販売は3年据え置く差別化に反対している。
 この問題を協議してきた政府の産業競争力会議の民間議員を務めたネット事業楽天社長は、この政府方針に異議を唱えて辞任を示唆している。

 (3)問題は薬の服用安全性で、店頭販売では常駐の薬剤師ほかが利用者に直接説明、指導する安全性の高さが規定で義務付けられており、制度上一定の服用安全維持性は確保されているということだ。

 ネット販売の場合に、誤った多種類の薬の服用による副作用(harmful aftereffects)をどう回避周知できるのか、一般的に専門知識のない利用者の判断にまかされる安全性保障の担保が懸念されている。

 (4)家庭訪問医の整備による移動困難者への助言、補助制度も必要だ。この問題では店頭販売での薬剤師らの直接説明、指導義務が店頭販売で徹底されていないザル規制(報道)であることがネット事業者差別の反発を招いている。

 薬品業界では、かっては薬品処方被害が子孫にまで及ぶ大きな社会問題となったことがあり、また日本は米国などですでに専門機関で危険が指摘されて使用制限、禁止されている薬品類をその後も日本独自の基準で使用し続けて、危険対応の遅れによる被害拡大を招いたこともある。

 (5)薬品でなくてもアスベスト(石綿)問題でも、米国ではすでに使用禁止となっていながらその後も費用対効果の高さから学校施設ほかで使用し続けて、危険対応の遅れ、環境被害を招いて社会問題になった苦い歴史、事例もある。

 欧米に追随するだけで独自の正当な安全性基準を持たずに、だからその欧米ですでに禁止となりながらも日本では使用、利用し続けるという文化度の低い時代も経験している。

 (6)ネット事業者は市販薬の全面ネット販売は世界共通のもので日本の店頭販売規制が有名無実のものと主張するが、日本には「薬害被害」の重い歴史、文化もあり、店頭販売規制が目的どおり機能していないことの方が問題であって、その有名無実化が問題と決めつけることは本末転倒だ。

 欧米追随で薬害、環境被害を招いた歴史、文化を踏まえて、家庭訪問医の整備も合わせて日本独自の正当な薬品販売の安全性基準を確立してのネット販売利用をはかることが大切だ。

 
 

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