いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

若いEUの推進力。 young propelling power of EU

2017-05-09 20:03:32 | 日記
 (1)イデオロギー第一主義の世界は何を残したかといえば、第一次、第二次世界大戦に米ソ(当時)冷戦時代という世界戦争対立による覇権国家主義だ。
 第二次世界大戦では米軍による広島、長崎への原爆投下で一瞬にして10万人規模の戦争被害者を出すという、人類に対する反逆的、反動的、排他的な戦争行動にまで及んだ。以後、世界大戦、核兵器の使用はない。

 戦後ヨーロッパでは、政治、経済、平和の壮大な実験場としてのEU体制を構築してヒト、モノ、カネ、サービスの自由往来という共同体理念、理想を掲げてきた。

 (2)この政治、経済、平和の壮大な実験場は世界平和の実現に向けての有効な理念、主義であり、理想で手段であったが、EU加盟国内の政治の貧困からくる金融、財政危機が噴出して、英国がEUからの離脱を決めて、世界的な既成政治、現実的格差社会への不満の流れの中でEU内でも反動としての極右政治勢力の台頭を招いて、EUの団結に不安が広がった。

 (3)EUをけん引してきたドイツ、スランスでも同じ反動は見られて、今回のフランス大統領選ではこれまで政権を担ってきた保革二大政党の候補者は敗北して、EU統合推進の中道・独立系のマクロン氏と反EUの極右政党・国民戦線のルペン氏の決選投票となって、仏国民はダブルスコアでEU統合推進のマクロン氏を仏大統領に選んだ。

 EUの政治、経済、平和の壮大な理念、理想は英国の離脱の中で何とかフランスでは支持され、望みはつながれた。

 (4)フランスはこれまでも自由主義の独自の道を歩み、米国の自由主義、覇権国家主義に対して距離を置いてきた。米国は既成政治、現実的格差社会への不満の流れの中で、米国第一主義、保護主義を唱えるトランプ大統領を選んでEU理念、理想とは相容れないものとなっている。

 EUの理念、理想、主義が世界平和のアプローチとして期待されるものだが、世界は自国第一主義、保護主義に新興国、極右勢力の台頭とカオス(khaos)を招いており、格差理念主義、非協調主義の世界到来だ。

 (5)EU体制が今後どうなるのか、英国の離脱はやはり大きく、一方の自国第一主義、保護主義の台頭でEU内にも不協和音が大きくなっており、前途は険しいものがある。

 米国が70才のトランプ大統領を選んだ中で、フランス史上最も若く、世界の政治指導者としても極めて若い39才のマクロン大統領が流れを変えられるのか、世界が注目するところだ。

 (6)EUの政治、経済、平和の理念、理想、主義が世界平和の実現に必要な中で、EU統合推進を主張する若い仏大統領の出現がダイナミズム(dynamism)となることが期待される。

 EUの政治、経済、平和の壮大な実験場としての理念、理想、役割はとにかくも引き継がれた。

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