いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

神童論。 theory of a prodigy

2017-10-27 19:40:16 | 日記
 (1)将棋界に中学生プロ棋士でデビュー以来破竹の29連勝をした藤井四段があらわれたときには「神童」(a prodigy)再来かといわれもしたが、将棋、囲碁界には若くして実力、頭角をあらわして「神童」といわれる人は何人かはいる。

 「神童」とはどういう概念なのかよくわからないが、将棋、囲碁界の「神童」はいづれも実力を誇示することもなく、若くして沈着冷静で礼儀正しく謙虚な姿勢が目につき、「神童」とはこういうものかと思わせるものがある。

 (2)今朝の新聞の書籍広告で書名「神童は大人になってどうなったのか」が目についた。この本、「神童と呼ばれた人たちをできるかぎり追跡してみた」(同書クレジット)ものらしい。

 書籍ダイジェスト(digest)には黒田東彦(日銀総裁)、鳩山由紀夫(元民主党政権首相)、舛添要一(前都知事)、片山さつき(参院議員)さんの名前があがって、いづれも東大出身のいわゆる秀才で学歴で何でもかんでも1位、1位、1位の紹介が続く。

 (3)何かの逆説性(paradoxical)、パロディ本なのかとも思ったが、いうまでもなく名前のあがった方々はまだ世の中に出る前の「神童」性とは別にして、世の中で頭角をあらわしてからはすこぶる評判がよろしくない面々の人たちだ。

 こういう人たちが日本の政治、経済、社会を動かしてきたから日本もこうなってしまったのかはまだわからないが、パラドックスに言えば、本来の高い潜在能力を本気で日本社会のために発揮してほしかった(現在進行中もあるので、ほしい)人たちとも思う。

 (4)日本社会特有の表現でもないのだろうが、よく「頭脳」(brain)だけが突出して人間性、精神性、健全性の人間バランスに欠けるといわれることがあるが、上述の書籍にあがった人たちはすべてそういう人たちとはいわないが、それなりに「神童」ゆえの悩みも「人並み」にあるにはあるのだろう。

 子ども時代は「神童」でも大人になれば「タダの人」という格言(かどうか)もある。同書の中身も知らないで書くが、ダイジェストからはどうみてもパロディ風であり、興味本位のもののようにみえる。

 (5)中には本当にすごい人も出てくるのかもしれないが、世界で初めてiPS細胞をつくり出してノーベル医学生理学賞を授賞した山中伸弥さんは医師としての挫折を乗り越えて研究者としての適性を見出して、次世代医療の先端的研究業績が高く評価された。

 その分自分をよく知っていて、人間的にも謙虚でおごらず、親しみがあって人間能力のバランス感覚に優れていることが伝わってくる。山中伸弥さんも十分に「神童」であったはずで、大人になってもこうなった手本のような人だ。

 (6)政治家では暴言虐待女性議員(今回の総選挙で落選し、傷害容疑で捜査)もいたが、麻生さんがこの人を学歴だけみれば非の打ちどころもないと言っていた。はたして同書ではとりあつかわれなかったのだろうか。
 
 同書のクレジットには『「すごい人」or「ただの人」』というのもあった。

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