小市民的、設計図。 blueprint

　いまどきの子どもの半分近くは、将来になりたい（つきたい）職業、仕事の希望はなく、
食べていければいい、という小市民的、安定志向のアンケート結果が出た。
　IT環境の中で人間関係が希薄になって、「孤立」を恐れて「群れる」志向が男子に顕著
で、女子はちょっと「距離を置く」志向が強いという。

　低年齢層では女子の「自立性」が高く、男子は「協調性（付和雷同）」が強いというのは
昨今問わず一貫した傾向のように思うけれど、最近の男子の「孤立」を恐れて「群れる」志
向というのは、「協調性」とは本質的なところで違ってきたインパクト（impact）がある。

　来年卒業予定の大学、院生の就職企業希望傾向ランクが発表されて、近年の長引く経
済不況を反映して、文系、理系ともに不況に強い食品関連の企業への人気度が高い、当
然といえば当然の安定志向型の傾向がでた。

　ここ数年は、全体の半数近くの企業で新規採用を控える傾向も続いていて、単に希望、
志向だけでは応えようもない社会情勢もあり、一概には言えないけれども、「小市民的」で
「安定志向」の影響の見える人生設計図（blueprint）の統計。

　経済構造（frame work）が、第３次産業中心のサービス付加価値主流（main force）の社
会構成の中で、人的要素よりはネットワーク駆使（link）の多角的、多様な無機質的なビジ
ネススタイルが、ドラスティック（drastic）なダイナミズム（dynamism）を消している。

　多分、青年期の若年層に聞いても、冒頭の子どもとさほど変わらない人生設計図（blueprint）
が垣間見えるのではないか。

　２０年には６５才以上が全人口の４０％を占める急速な少子化社会で、社会資本への若年
層の負担率は増大するけれど、パラドックス（paradox）に一方、経済、文化、社会活動の
フレームワーク（frame work）への参加率、機会は多様に増大することが確実で、将来設計
図（blueprint）に多様な選択肢が展望できる環境もある。

　いまどきの子どもから若年層までの成長期にあまり「変化がない」と見るべきなのか、IT
化で共通認識のフレームワーク（frame work）の周期が拡大したと言うべきなのか。

　いまどきの子ども若年層に存在する小市民的で安定志向の物分かりの良さが、ちょっと時
代の「先」を見れない、読めない付加価値のない価値観の領域の「狭さ」を示している。
　低年齢層では「自立性」の高い女性層が成長するに従って、協調性のないのは致し方ない
にしても、独立性、独自性が埋没していくのは、どこのせいなのか。平均寿命も長く、絶対
人口比率も高い女性層の役割もこれからますます重要になってくる。

　政治が示す政策のダイナミズム（dynamism）も社会意識の形成には、大きな要素となる。
子ども手当、高校無償化だけでない、次世代型の環境（environment）とエネルギーの展望
でドラスティックな「ロマン（roman）」を語ることも必要だ。