いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

弁明の大啖呵(たんか)。 prologue of vindication

2010-12-08 19:38:50 | 日記
 (1)新聞はメディアの中では、情報量、分析力、解析力、解説力、資料性で高い能力があ
る。その新聞も時には興味本位に判断を誤ることがある。中等教育(15才)を対象とした
国際学力テスト(PISA)でここ近年は日本の学力低下傾向が続いていたが、今回(09年版)
は、読解力、数学的リテラシー(literacy)、科学的リテラシーでいづれも比較順位を上げて
競争力向上を強調して新聞もトップ記事を占めた。

 体力テストもそうだが、初等中等教育レベルでは「ランク」が問題ではなく、原因、成長幅、
可能性の判断、分析が大切なだけだ。これから、本格的に飛躍的に成長する年代を対象
に、現時点的な一過性の中でのランク付け、競争意識の国際化など問題外のものだ。
 初等中等教育での「テスト(achievement test)」とは、現時点での知識の理解力、理解
度を判定し、今後の授業方法に活かして、成長を補助する制度であり手段のはずで、コンテ
ストのようにランクを付けてみだりに競争力ばかりを煽(あお)るものではない。
 現在の初等中等教育、それに惑わされる家庭事情の進むべきベクトルの間違いが、そこ
にあることを関係者、社会は正しく理解すべきだ。

 教育の過熱が、社会が成長途上の子どもの世界をオゾン(ozone)のように閉じ込めて、
子どもの悲劇は本格的な人間としての成長を見るまでもなく訪れさせている。
 新聞は、初等中等教育の「本質」を前提としての国際学力テストの分析、解析の活かし
方、問題の取り上げ度に終始すべきだった。

 初等中等教育における国際比較など、この段階からの変なナショナリズム(nationalism)
を助長するだけだ。教育国家として教育に対する国民投資の高い北欧諸国はフィンランド
を除いてこの国際学力テストでさしたる高ランクを示しておらず、教育過熱国家中国の上海
が各項目1位を独占して、同じくアジア諸国が高ランクを占めているのが初等中等教育の
進むべきベクトルの間違いを、民族性を示している。

 新聞は、もっと本来、国際競争力を競うべき「おとな」の政治、経済、文化のレベル向上に
ついて論ずべきことだ。

 (2)その1面の記事の下には、左目を赤く充血した人気歌舞伎俳優の顔写真が載る。体調
不良で当日記者会見を事前にキャンセルしての実は深夜までの飲酒行状の中で、暴行事
件に巻き込まれて重傷を負った。
 犯人と目される人物は逃走中だが、当の歌舞伎俳優は退院しての記者会見だった。当然
ながら事件の概要、全容の核心については捜査中で開示できずに、どちらかと言うと都合の
いい一方的な弁明(vindication)の啖呵(たんか)に終始した。

 事件はまったく霧の中の疑問だらけに終始している。①来年1月芝居予定と体調不良によ
る突然のその記者会見中止の相関関係、②体調が少し回復した程度での当日深夜までの
飲酒行状、③人気歌舞伎俳優をひとりにして帰った仕事仲間の行動、④人気歌舞伎俳優が
見ず知らずの複数者と当日に会って泥酔するまで飲み明かす行動と、事件は霧の中だ。

 ⑤本人は一方的に暴行を受けたと主張している。現場には、本人以外の血痕もあるようで
加害者と言われているメンバーにも被害を受けているとの関係者のコメントもある。
 ただし、泥酔状態ではよく加害者の仲間同士で意見が分かれて身内同士での暴行という
こともよくあるから、これはわからない。本人の言うとおりかも知れない。

 この人気歌舞伎俳優は血筋もよく、顔立ちも希(まれ)に見る整った古典役者の容姿を残し
ている。古典を伝承する若者としての条件に恵まれて、それだけ自尊心も旺盛で、だから
ストレスも多いだろうが、誰もが受け継ぐことができる世界でもなく、早く事実を解明して取る
べき責任履行、反省からのリ・スタートを望むだけだ。
 

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