(1)ウクライナ軍事緊張は米露首脳が直接対決して軍事緊張をより現実的なものとして高める代理戦争(war of avatar)だと書いた。露はウクライナ国境沿いに15万人規模の兵力を集結して軍事演習をしてウクライナを威嚇して、バイデン米大統領はプーチン露大統領がウクライナ侵攻を決定したとする確証があるとして近日中の露軍のウクライナ侵攻を言及、警戒している。
(2)ウクライナ国境沿いの15万人露軍、プーチン大統領のウクライナ軍事侵攻決定といい、プーチン大統領、バイデン大統領以外はわれわれには読み取れない、わからない「メタバース」の世界、アバター戦争と書いたが、ウクライナでは国防相が「今日の段階では国境地帯のロシア側に攻撃部隊がいるという兆候はどこにもない」(報道)と述べて「明日やあさってに侵攻があるというのは適切ではない」と露軍侵攻を否定してみせた。
(3)本日プーチン大統領が署名したのは、ウクライナ東部の親露派勢力が実質支配する地域の一方的な独立国家承認の荒業だった。ウクライナの露によるクリミア(半島)化の拡大だがやはりメタバースの世界の話のようで現実感はない。
(4)米露首脳再会談が報じられており、ウクライナ大統領とプーチン大統領の直接会談の開催も用意されているとの報道もあり、問題はウクライナのNATO加盟によるNATO勢力拡大にプーチン大統領が反発して米国にNATYO不拡大を求めていることであり、当事国のウクライナ大統領がプーチン大統領とこの問題で直接会談して意思、善後策を確認することが優先されるべきで、ウクライナ、露首脳会談が後回しになっていることが問題をさらに複雑にした。
(5)当事国ウクライナの頭越しに米露首脳、外相が会談し、仏、独が仲介外交を重ねても問題解決に向かうとは思わない。メタバース世界のアバター戦争と書いた所以だ。米国と露の描くメタバースの世界での検討段階、順序違いの思惑をいくら描いてみても仲介外交がいくら優先されても段階、順序違いのメタバースの世界であり、早く当事国ウクライナと露との首脳会談が実現されて意見を交わすことが現実的、先決問題だ。
(6)それにはまずはウクライナ国境沿いに展開しているとされる15万人規模の露軍の撤収が先だとの話になるが、露のウクライナ東部の独立国家承認による露軍配備の口実のあたらしい先手の展開も考えられて時間的余裕はない。
ウクライナ国防相は国境沿いに露軍攻撃部隊はおらずに明日やあさってに侵攻はないと言っているのだから、そして今日のウクライナ東部の一方的な露の独立国家承認で当事国ウクライナ側からプーチン大統領に首脳会談を持ちかけて現実的解決を提案すべきだ。