今住んでるコミュニティのすぐ裏手に、牧場がある。
ジャージー牛が放牧されてて、長靴に履き替えたら自由に牧場の中に入っていける。
こないだ、天気ええ、なんもする気せん、て二拍子揃た午後、牧場に入ってみた。
中はなんか所かのエリアに分かれてて、放牧地は順繰りに変わっていくらしい。
私が行った日は、いきなり最初のエリアに牛さんたちがおった。
おーい、おーい。
元気でっかぁ?
ここの牛さん達、人懐っこい。
一応牛さんエリアと人エリアはロープで区切られてるんやけど、
「なーにぃ?」
「どしたん、どしたん?」
ロープぎりぎりまで寄ってくる。
ジャージー牛、こんな顔黒っぽい子もいてるんや。
森を切り開いたような高台の放牧地。
こんなとこで一日自由に草食べてるんやなあ。
ゆーっくり歩いてるうちに、日ぃ傾いてきた。
入り口付近まで戻って行ったら、
牛さん達も引上げ中。
人間が呼びこんだりせんでも、夕方になったら勝手に小屋まで戻って来るんやて。
小屋の中にはごはんや水が用意してあって、奥には搾乳器がある。
「あー、よう働いた。お腹いっぱい」
で、ちょっと混んでるかなあ思たら、じーっと外で順番待ちしてるんやて。
ほら、小屋のすぐ前まで行って圧かけたりせんと、ちょっと距離置いて。
黙って、じーっと。
すごいわ、牛さん。
なんか私ら、恥ずかしいなってきた。