「いち」が亡くなった。
私の月光仮面の一人が、おらんようになってしもた。
先週末、息があまりにも辛そうやから、動物病院に電話相談した。
今、車無しで通院は大変なんやけど、
レントゲンとかは往診では無理。
月曜にバス、電車、タクシーを乗り継いで連れて行った。
レントゲン撮ったら、胸の中に液体がいっぱいたまってる。
いろいろ相談した結果、この液体を抜いてみることになった。
途中で処置室に呼ばれると、先生がぐったりした「いち」に心臓マッサージしてはった。
名前呼んでるうちに「いち」は息吹き返した。
それから、
「いち」を家に連れて帰ることにした。
またタクシーやら電車やら乗り継いで、
やっと家にたどり着いてキャリーから抱き上げた途端、
大きな息2~3回して、
それが最期やった。
体、悪いのはわかってたけど、
ちょっと急すぎた。
スピカも、
箱の中に横たえた「いち」のこと、
なんや呆然と眺めてる。
お骨になるまでの二日間、
保冷剤替えながら、「いち」にいっぱい話しかけた。
「おかちゃ、お掃除頑張ったやろ ? 見ててくれた ?」とか、
「梅とってきたで。今年はちょっとちっこいけどな」とか。
これまで「いち」に言うたことないようなことまで、
「いち」の頭撫ぜながら話しかけた。
スピカがぼんやりしてたように、
私もぼうーとしてて、
「いち」が亡くなったゆうのに、
青梅採りに行ったり、
杭欲しいゆう知り合いが軽トラに杭積み込むの手伝うたり。
何かするたんびに「いち」に声かけて頭撫ぜて。
「いち」はお骨になった。
これまでに亡くなった猫二匹は、火葬だけお願いしてお骨は残さんかった。
今回、数年のうちに引っ越しを考えてるから、お骨にして連れて行こうと思うた。
もう姿がなくなったのに、やっぱ同じように、
しょうむ無いことあれこれ、話しかけてしまうなあ。
広うなったストーブ前で、
スピカがなんか、しょんぼりして見える。